極東産機株式会社


管理本部社長室 システム開発課
主幹技師兼課長
久保田 佳裕 氏
IBMi(AS/400)と共に歩んできた当社にとって、RPGスキルをフル活用できるJC/400は大変使いやすいツールです。 JC/400でWeb EDIシステム(Web受注)を効率的に開発することができました。 Web 受注システムは、お取引先に評価頂き、お申込み数も順調に増えています。 JC/400によるWeb EDIシステム(仕入)もリリースが決定しています。 今後は、スマートデバイス用のWeb開発など、JC/400の幅広い活用を計画しています。
(久保田 佳裕 氏)
会社概要
■本社所在地
 兵庫県たつの市龍野町 日飼190
■URL
 http://www.kyokuto-sanki.co.jp
昭和23年に畳の製造機器メーカーとして創業以来、職人さんの快適な職場環境作りと消費者の豊かな生活空間作りを2本柱として、伝統技術と先端技術の融合により、ユニークなオシジナル商品を開発。畳製造機器はもとよりインテリア施工省力機器、カーテン縫製機器等、幅広く事業を拡大している。

 
極東産機本社 自動壁紙糊付機
JC/400の高い生産性と卓越したRPGスキルにより、
僅か2ヶ月で、お取引先、社員共に満足のWeb受注システムを構築


畳機器製造メーカーとして出発した極東産機株式会社は、畳・インテリア施工業界のニーズに合わせた製品をいち早く提供。自動壁紙糊付機など、国内トップシェアを持つ製品も数多い。また、S/38時代からのIBM i (AS/400)ユーザーとして、自社の基幹業務を開発・運用するだけでなく、同業界や地域の各社にIBM i やソフトウェアを販売するIT企業としての側面も持つ。

1日数千アイテムに上る受注業務の事務効率化および在庫情報の提供によるお取引先へのサービス向上を目的として、2011年にWeb EDI(Web受注)の開発に着手。長年培った卓越したRPGスキルが JC/400のWeb開発手法とベストマッチし、1人の開発担当者だけで僅か2か月で開発を完了するという驚異的な生産性を実現。完成したWeb受注システムは、お取引先を始めとする社内外の関係者から高い評価を得ている。
 
受注業務の課題
大量の受注業務を省力化したい
お取引先にWeb在庫照会を提供したい
解決方法
JC/400でWeb EDI(Web受注)を開発
過去の出荷実績に基づき在庫情報を判定し表示
導入後の効果
受注センターの電話受付、データ入力業務を大幅に効率化
在庫照会ニーズにマッチしたことで、Web EDI の申し込みが急増中
Web 受注システム開発の背景
同社は、各種機器の製造・販売に伴う付属工具やサプライ品の販売も行い、全国の代理店に対し、1日数千アイテムの製品を出荷している。 受注業務は、本社(兵庫県)と東京の2つの受注センターで実施。 VPNによる同社と取引先のコンピュータ間接続のEDIは導入済みであったが、双方にシステム投資が必要なため、なかなかEDI取引先が増加しないという問題があった。 リアルタイムの在庫を知りたいというお取引先のニーズに応え、同時に受注センターにおける電話問合せやデータ手入力を削減するため、IBM i をベースとしたWeb受注システムの構築を決定した。
開発ツール「JC/400」の選定
開発にあたり、システム要件を決定し、IBM i のWeb化開発ツールの選定を行った。 最終的にJC/400を含む3製品が選考に残った。 JC/400は、スマートデバイス対応機能(SmartPad4i)のリリースが決まったことで総合的に最高の評価となり、採用を決定した。 他製品との比較では、ツール特有のルールや癖がない通常のRPGで業務ロジックが開発できること、WebサーバーをIBM i の外に立ててIBM i とインターネットの直結を回避しセキュリティを高められること等をJC/400の優位性として評価した。

システム要件 JC/400の評価
IBM iのハード・ソフト資産が活用できること アプリケーションはIBM iとリアルタイムで連携。既存DBもそのまま活用できる。
画面の見栄えが良いこと 画面はHTMLで自由にデザインが可能。市販のHTML作成ツールも活用できる。
セキュリティが確保できること WebSphere Application Server をIBM i の外にも立てられる(IBM i がインターネット直結とならない方法を希望)。SSLを使用してセキュリティを強化できる。
サポートがしっかりしていること メールだけでなく電話対応も可能。サポート重視の姿勢のため安心感がある。
社内で開発できること RPGだけでWebアプリケーションの業務ロジックを開発できる。
スマートデバイスが活用できること SmartPad4iのリリースによりスマートフォン、タブレット上でも稼働できる。
EXCEL、Word等の印刷機能があること Excel, Word等のOffice機能、CSV出力機能を備えている。
RPGスキルと工夫によるスピード開発
RPGの得意な技術者が、Web受注システムの責任者として専任で開発を担当することとした。HTMLの経験がなかったため、最初はHTML作成ツールを導入してWeb画面を開発。その後の努力により短期間でHTMLを習得し、ツール無しでもWeb画面を作成できるようになった。また、JC/400の入出力定義や、JC/400が自動生成したRPGに対して業務ロジックを記載していく部分は、順調に開発できた。

RPG開発上の工夫として、JC/400の自動生成プログラムをシンプルな構造のまま保つために、CallとCopy句を多用し業務ロジックを出来るだけサブルーチン化した。先ず更新系と照会系の2つのパターンを最初に確立し、プログラムが増えても応用で開発することができた。

2011年9月より開発を開始した本システムは、開発者1名の体制にも関わらず、同年10月には社内向けデモ画面により評価し、11月中旬に顧客限定で試行運用を開始、12月1日より本運用を開始するという驚異的なスピードでリリースすることができた。長年の経験により非常に高いRPG開発スキルを持っていることで、JC/400の開発生産性の高さを最大限に引き出すことができた。
Web 受注システムの概要と工夫
ログイン画面でユーザーIDとパスワードを入力すると、メニュー画面に相当するポータル画面に遷移する。 セキュリティ対策として、ログイン画面でSSL証明書を取得している。

◎ポータル画面
本ポータル画面では、メインの注文画面へのリンクだけでなく、製品カタログへのリンク、新着情報、お客様向けメッセージなど、関連するあらゆる情報にここからアクセスできる。
ここでの工夫は、各種メニューの名称から新着情報、お客様向けメッセージに至るまで、全ての情報をIBM i のマスターファイルから取得していること、および、各種マスターファイルは、全て社内の営業担当などエンドユーザー部門でメンテナンスできることである。

エンドユーザー部門でのマスターメンテナンスを助けるためのユニークな工夫が、IBM i のマスターメンテナンスメニュー画面である。
Webメイン画面

マスタメンテナンス画面

この画面では、各マスターファイルのメンテナンスメニューが、Webポータルと同じ位置・配列になっている。 従って、Webのある部分、例えば新着情報を修正したい場合に、IBM i のどのマスターを修正すれば良いかという対応関係が、画面配置により一目瞭然で理解できる。 結果として、システム部門は日常運用から完全に開放されることができた。またエンドユーザー部門としても、いちいちシステム部門にマスター修正を依頼せず自ら迅速に修正できる方が好都合である。 IBM i 、RPGに熟達した同社ならではのユニークな工夫である。

◎注文画面
注文画面では、注文対象の各製品の品番コードを登録していく。品番コードを登録すると、該当の商品名称を表示し、次の行にカーソルが移動する。商品名からリンクで商品カタログの参照も可能である。ここでの工夫は在庫有無の見せ方である。IBM i のリアルタイムの在庫数量に基づき在庫有無(○△×)の表示を行うが、どの程度の在庫があれば在庫有/無と表示するかの基準の決め方は、非常に重要である。同社では、直近の販売実績を基に在庫有無表示の基準を決めている。直近の販売実績に基づく各製品毎の在庫表示の基準値は、手人力によるメンテナンスは不要で、IBM i の実績データをもとに業務ロジックで自動計算する方式としている。
注文画面(上)とリンクの製品カタログ(右下)

注文製品を登録したら、次画面に進み、注文を確定する。注文後、注文一覧画面や詳細画面で、注文の処理状況(受付、出荷等)を照会することができる。

お取引先により入力された注文データはIBM i で即時更新され、受注センター側のモニターに出力される。メッセージとしてモニターにプッシュしているので、センター側で受注確認が遅れることもない。電話・FAXでの注文受付と異なり、Web受注は受注情報の手入力が不要なので、事務省力化に貢献することができた。
Web受注システムの評価と今後の展望
今回のWeb 受注システムは、お客様にも大変好評で、リリース後4か月でお申し込み件数は約200社に達した。リアルタイムの在庫を簡単に照会できる点が最も評価されている。本システムの主な利用者は、全国各地の販売店様だが、各販売店も最終ユーザーの内装業者や畳職人さん等から在庫の問合せを受けるケースが多く、タイムリーに回答する必要がある。電話問合せよりもWebシステムで自由に在庫が確認できる方が、はるかに便利である。システム部門発案の企画であったが、予想を上回る成功事例となり、社内外から高い評価を得ることができた。
次のWebシステムとしては、仕入Web EDIのリリースが目前となっている。同社にとってのメリットは仕入先からの納期回答が煩雑なFAXでなく電子化されることである。また、お取引先にとってのメリットとして、JC/400のCSV機能を利用した受注(お取引先から見て)一覧リストの提供や、JC/400のWord連携機能を利用した注文書の出力機能などにより、付加価値を高めている。
モバイル利用については、JC/400のオプションとなるSmartPad4iを導入。今後、生産現場での帳票ベースの作業指示をスマートフォン/タブレットで代替すること等の活用案を検討している。 同社では、以上の計画も含め、今後ともJC/400を有効に活用し、Web開発を進めていくことを予定している。
Web-EDI概要図