ライオン流通サービス株式会社


企画部 企画チーム
桂 哲 様
Delphi/400導入時から目標としていた配車支援システムを開発し、業務効率化による要員削減と、IBM i でのデータ一元管理を達成することができました。今後もDelphi/400により社内業務改善を推進する予定です。
(桂 哲 様)
会社概要
■本社所在地
 東京都墨田区本所1-3-7
■URL
 http://www.lion.co.jp/ja/company/group
 
1986年、ライオン100%出資の物流子会社として設立。ライオングループ製品の物流全般を担う。約20か所のグループ物流拠点および協力物流事業者への委託業務を統括。物流業務の効率化と品質の向上に努め合理化を推進している。

ライオングループのサプライチェーンを支える原料配送業務を
Delphi/400による「配車支援システム」で合理化

ライオングループの一員として物流業務全般を担当するライオン流通サービス株式会社。その業務範囲は、完成品の配送だけでなく、原料工場から生産工場への原料の配送を含み、グループ内のサプライチェーンを支えている。
工場間の液体原料の配送は、各拠点で毎月作成する出荷計画表により業務を行っていたが、1か月分の計画表の作成に各拠点担当者が4〜5日を要しており、合理化が求められていた。

IBM i (AS/400)で基幹システムを運用している同社は、 5250画面を使い勝手の良いGUI画面に変更して欲しいという社内各部門からの要望に応えるために、2009年にDelphi/400を導入。Delphi/400導入目的の一つとしていた「配車支援システム」を自社開発でリリースし、液体原料配送業務の合理化を達成することができた。
 
課題
液体原料配送業務は
IBM i 未対応で、業務負担大
各拠点毎に行う出荷計画表の作成業務に工数がかかる
配車計画データが拠点毎のExcel管理となっている
解決方法
Delphi/400とIBMiで
全社共通システム化
使い易い配車支援システムをDelphi/400で開発
Delphi/400でのシステム化によりIBMiでデータを一元管理
導入後の効果
液体原料配送業務の工数削減とシステム機能改善
入力業務効率化とFAX自動送信により要員3名分の工数削減
配車データ共有により拠点間の業務代行や全社ベースの実績管理が可能に
液体原料配送業務のシステム課題
同社の取り扱う様々な物流・配車業務は、基本的にIBM i で構築した全社共通システムで運用されている。ところが、液体原料配送業務については、IBM i ではなく各拠点で管理するExcelベースのシステムで運用していため、以下のように多くの課題を抱えていた。

1. 配車計画データの登録
液体原料の配送元となる全国5拠点では、各拠点の担当者が、原料を使用する生産工場からの出荷指示に基づき、「配車計画データ」を各個人PC内で登録。データとして登録する「発着場所」、「品名」、「運送会社」などの情報は、全社共通のマスターとして統一されておらず、独自に調べて入力する必要があるため、入力効率が悪く、入力ミスを招くことも多かった。

2. 出荷計画表の作成
登録した「配車計画データ」に基づき「出荷計画表」をExcelで作成するが、「出荷計画表」の作成作業には、1か月分を作成するのに各拠点の担当者が4〜5日を要していた。また、配車計画に変更が発生すると、「出荷計画表」をExcel で作成しているため保守性に問題があり、計画表の修正作業に大きな工数を要していた。

3. 出荷計画表の運送会社への送信
作成した出荷計画表は運送会社にFAXで送信され、配車手配を依頼していた。印刷した出荷計画表を都度手作業でFAX送信していたため、作業効率が悪かった。



4. 配車データの活用
各拠点毎に配車計画データが分散しているために、配車計画作成ノウハウの共有が行えない、各拠点データを統合した配車実績データ分析が行えない、などの問題があった。

5. 危機管理
もし、ある拠点が被災等により業務遂行できなくなった場合、配車計画データが拠点間で共有されていないため、他拠点による業務代行運用が困難だった。
またデータが各拠点PCに分散しているため、サーバー障害時の業務継続やデータ保全等のセキュリティ対策が充分でなかった。
「配車支援システム」開発による課題の解決
柔軟な画面開発、Excel連携、FAXソフト連携などの機能を実現できるDelphi/400を開発ツールとして採用し、IBM i をデータベースとする「配車支援システム」構築に取り組んだ。

1. 配車計画データの登録
Delphi/400により、「配車計画入力画面」を開発した。これは、従来の配車計画入力と同様に個別の出荷情報を登録していく画面である。Delphi/400画面は5250画面のような制約がないため、プルダウンによるコード選択機能やカレンダー機能を利用し、画面入力の操作性・効率性を高めることができた。プルダウンで入力するコードは、IBM i の共通マスターから選択できるので、各拠点間の入力データの統一が図れた。また、入力コードを調査する手間も省略できた。

IBM i で一元管理することにより、従来は自らの拠点分しか行えなかった配車計画の登録が、他拠点分も合わせて登録が可能となり、会社全体の業務工数削減を達成した。


2. 出荷計画表の作成
従来、「出荷計画表」は所定のExcel書式に手入力でデータを登録しており、作成に大きな工数がかかっていた。新しい配車支援システムでは、「配車計画入力画面」に登録したデータをもとに「出荷計画表」を自動作成することにした。
「出荷計画表」はExcelでレイアウト設計し、明細データは、Delphi/400からのExcel連携で書き出す方式とした。

3 出荷計画表の運送会社への送信
作成した「出荷計画表」は、従来、各拠点が手作業で運送会社宛にFAX送信していた。新システムでは、作成した出荷計画表は、Delphi/400で開発した「FAX送信」画面の送信ボタンをクリックするだけで自動的に運送会社宛に送信される。これにより、FAX送信作業工数を大きく削減することができた。FAX送信のロジックにはActive Xを利用しており、PCにインストールされたFAX送信ソフトのドライバーをDelphi/400からコントロールして、FAXソフト連携を実現した。

4. 配車データの活用
配車関連データがIBM i で一元管理されるようになったため、配車実績データの拠点比較や分析が可能となり、効率的な配車に関するノウハウの共有ができるようになった。

5. 危機管理
IBM i でのデータ一元管理により各拠点間で配車データを共有でき、災害時の相互の業務代行が可能となった。また、堅牢なIBM i をデータベースサーバとすることで、データ紛失などのリスクを抑えることができた。
導入効果:要員3名の削減
前述の「課題の解決」により、出荷計画表の作成工数と運送会社宛のFAX送信工数が大きく削減し、液体配送の配車に関わる要員を3名削減することができた。

IBM i を利用することで、配車実績データの分析と各拠点配車ノウハウの共有ができ、効率的な配車が可能となった。またデータのセキュリティも強化できた。



今後の展望
IBM i を基幹システムとして運用する同社は、より使い易い画面を求めてエンドユーザーからの改善要望が数多く、今回紹介した事例以外にも参照系を中心に、短期間で100以上のDelphi/400画面を開発・リリースした。その中には自社向けだけでなく、親会社のライオン株式会社の営業担当者向けの物流在庫照会画面なども含まれ、IBM i の情報管理ツールとして重要な役割を果たしている。今後も、Delphi/400でライオングループ内の様々なユーザー要望に応えていく予定である。