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52 Migaro Technical Award 2008 優秀賞 Delphi/400による 販売管理システム(FAINS)について 藤田 建作 様 株式会社船井総合研究所 システム室 主任 チームリーダー 株式会社船井総合研究所 http://www.funaisoken.co.jp 株式会社船井総合研究所は、企業経 営のコンサルタントとして、売上や 収益力のUP といった実務レベルの マーケティングから、中長期経営計 画、新規ビジネス構築などの企業戦 略の構築まで、総合的に支援してい る。 システム化の経緯と課題  株式会社船井総合研究所では、1998 年より基幹の販売管理システムである 「FAINS(Funai Advanced Intelligence System)」を、Delphi/400 以外のツール で開発して稼働させてきた。その後数年 たち、事務処理効率のさらなる向上や情 報検索機能の充実を目的として、2004 年にFAINS の再構築を行うことになっ た。  再構築を行うにあたり、次の3 つの課 題を検討する必要があった。 @事務処理の煩雑さ  第1 の課題は、事務処理の煩雑さだ。 これまでは事業部ごとに営業事務担当が 配置され、売上入力、交通機関の切符手 配、業務完了処理、顧客情報照会等を個 別に行っていた。  業務フローが複雑でツールが汎用的で なかったため、業務の流れを把握し、ツー ルに慣れていないとスムーズな処理が行 えなかった。  つまり、コンサルタントが直接、事務 処理を行うことができなかったのであ る。 A顧客データの信頼性  次に顧客データの信頼性も課題であっ た。すでに取引のある顧客については一 元管理が行えていたが、見込客の情報が チームごとに管理され、一元化されてい なかった。  また、登録内容の変更依頼を受けても 完全に対応できず、クレームが発生する こともあった。  さらに、多くの市区町村合併が発生す る中、顧客データの修正対応が十分に行 えてなかった。 B会計処理  最後の課題は、プロジェクトが完了し てから請求書が発行されるまでに、すご く時間がかかっていたことだ。交通費立 替金請求等の処理も複雑なため、業務の 見直しが必要であった。 アプリケーションの 開発方針  先にあげた課題を解決するには、バラ バラであったシステムを連携する必要が あった。  今回のプロジェクトでは、3 つのサブ システムを連携することにした。営業が メインで利用する「営業支援システム (FIELDS)」、スタッフが利用する「販 売管理システム(新FAINS)」、経理部 門が利用する「会計システム」の3 つだ。  会計システムに関しては、早々にパッ ケージソフトを使用する方針が決定し た。FAINS については当初、従来のツー ルでのバージョンアップで対応しようと した。しかし、バージョンアップ費用が 予想以上に高価で、費用対効果が少ない と感じたため、見直しが必要になった。  そこで、検討したのが、以前から出張 精算システムや顧客情報を抽出する条件 検索システムとして利用していた 「Delphi/400」である。これらシステム は小さなものであったが、ユーザーから