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2008_migaro_techreport_001   82 / 136

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80 尾崎 浩司 株式会社ミガロ システム事業部 システム2課 連携で広がるDelphi/400活用術 開発の効率を上げるには 既存のいろいろな仕組みと「連携」することが最もよい手段だ。 ここでは、Delphi/400 と他の仕組みとを連携する手法を 具体的な手順を含め紹介する。 ●はじめに ●COM を使ったアプリケーション連携 ●Web で提供される情報との連携 ●さいごに 略歴 1973 年8 月16 日 生 1996 年三重大学 工学部卒 1999 年10 月株式会社ミガロ入社 1999 年10 月システム事業部配属 現在の仕事内容 入社以来、主にDelphi/400 を利 用した受託開発を担当している。 はじめに  Delphi/400 は、IBM i を使用するア プリケーションを開発するのに、最適な 開発ツールである。と同時に、制約のな いWindows アプリケーションを構築す るのにも、最適な開発ツールである。  適用業務において可能性は無限に広が るが、1 から全てを構築するとなると工 数がいくらあっても足りないであろう。 開発の効率を上げるには、すでに用意さ れているいろいろな仕組みと「連携」を 行うことが最適な手段だ。  本稿では、Delphi/400 と他の仕組み とを連携する手法を、具体的な手順を示 しながら紹介していこう。これをきっか けに、皆様の開発のバリエーションが広 がれば幸いである。 COMを使った アプリケーション連携  「連携」というとまず思いつくのが、 業務で最も使用するExcel との連携で あろう。データベースから取得したデー タをExcel に出力する、ソース1 のよ うなアプリケーションを、私もたびたび 開発している。【ソース1】 COM  このような連携を実現するのが、 「COM」と呼ばれる技術である。COM はコンポーネント・オブジェクト・モデ ルの略で、アプリケーションの持つ機能 をオブジェクト化し、別のアプリケー ションから容易に利用できるようにする 技術である。  このCOM という技術により、 Delphi/400 からいろいろなアプリケー ションの機能を使用することが可能にな る。さらに、他のアプリケーションに機 能を提供するプログラムを構築すること も可能である。  例えば、IBM i から情報を取得するロ ジックを、Delphi/400 で開発し、COM とすることで、他のツールからの利用が 可能になる。そうすることでエンドユー ザーは、Excel やAccess のVBA 等で、 間接的にIBM i のデータを使用するこ とも可能になるというわけである。 COMサーバーの開発  それでは、COM として情報を提供す るサーバーはどのようにして開発するの か、見ていこう。  まず、新規プロジェクトを作成する。 そして、Delphi のメニューから[ファ イル]→[新規作成]→[その他]を選 択し、選択カテゴリ「ActiveX」から「オー トメーションオブジェクト」を選択する。 【図1a】  すると、ウィザードが始まるので、 「CoClass 名」欄にクライアントがアク セスするためのクラス名を入力する。こ こでは"AS400Infomation"としよう。【図 1b】  ウィザードが終了すると「タイプライ ブラリ」と呼ばれるインターフェースを 定義する画面が表示される。【図1c】  この画面で、外部に提供するプロパ ティあるいはメソッドを定義するわけだ。  "IAS400Infomation" をクリックする