63 松尾 悦郎 株式会社ミガロ． システム事業部 システム1課 どのようなシステムにも存在する一覧照会について RPG プログラムで処理速度を制御するテクニックと それをDelphi やJACi400 で連携する方法を紹介する。 ●はじめに ●基本的な一覧照会 ●実践的な一覧照会 ●順次読み込みの手法 ●Delphi/400プログラムとの連携 ●JACi400プログラムとの連携 ●最後に 略歴 1979 年6 月16 日生れ 2002 年広島大学理学部卒 2006 年株式会社ミガロ．入社 2006 年6 月システム事業部配属 現在の仕事内容 主にJACi400 を使ったWeb アプリ ケーションの開発を担当しており、 システムの要件定義から納品・フォ ローまでを行っている。 はじめに 　今日、私たちが生活する社会にはたく さんの業種があり、いろいろなシステム が稼働している。同じ業種でも、企業に よっては、全く違うアプリケーションが 使われていることもある。それは、それ ぞれの企業の業務や取り組みが異なるの で、仕方のないことであり当然である。 1 つとして同じシステムはない、と言っ ても過言ではないかもしれない。 　このように多種多様なシステムが存在 しているわけであるが、システム開発者 が共通して考慮し、頭を抱えるポイント がある。それは「処理速度（パフォーマ ンス）」だ。「人間がコンピュータの応答 時間に我慢できるのは3 秒以内」という 説を聞いたことがあるが、今では高速化 が進み、検索ボタンを押して、表示され るまで10 秒かかる照会プログラムは ユーザーに使われない。一方で、ユーザー からの要望は難易度を増し、便利な機能 を次々と求められるのである。 　そこで今回は、どのようなシステムに も存在する一覧照会の機能について、 IBM のRPG プログラムで処理速度を制 御するテクニックと、それをDelphi や JACi400（Web システム）で連携する 方法を紹介したいと思う。 基本的な一覧照会 　詳細に入る前に、一覧照会プログラム について、確認の意味で簡単にパターン 別の仕組みを説明する。 A　5250 のアプリケーション 　サブファイルを使用し、対象のレコー ドをこのサブファイルに書き込む。画面 の制約があるため、1 画面で表示できな い内容はPAGEDOWN やPAGEUP で 表示する。 B　Delphi/400 のGUI アプリケーション 　Delphi/400 を使用したアプリケー ションであれば、ワークファイル（中間 ファイル）を使用し、対象レコードをいっ たんRPG でこのワークファイルに書き 出す。それをDelphi/400 で画面に表示 し、スクロールさせて全件を表示させる。 　簡単な仕様であれば、RPG を使わず に、SQLで抽出することもある。 C　Web アプリケーション 　JACi400 を使用したアプリケーショ ンであれば、内部テーブルを使用し、対 象レコードをいったんRPG でこの内部 テーブルに保持する。その後、Web サー バーに対象のデータを送信し、JACi400 を介してHTML で作成された画面に表 示させる。これも、スクロールさせて全 件を表示させる。 　以上が基本的な仕組みで、いずれも RPG で対象レコードを抽出するもので ある。 実践的な一覧照会 　基本的な一覧照会プログラムの仕組み を確認したところで、いよいよ詳細な内 容に入っていく。当然のことだが、実際 RPGでパフォーマンスを制御 .順次読み込みの方法と Delphi/400やJACi400との連携