【DO!BOOK・ページリンク】
2009_migaro_techreport_001   70 / 80

BOOKをみる

10秒後にBOOKのページに移動します


68 ●プロジェクトリーダーのメリット  プロジェクトリーダーはMKS Integrity を利用することにより、現在の作業内容 とその作業コスト、現在誰が作業のない 状態なのかをリアルタイムで確認し、プ ロジェクトへ技術者を割当てることがで きる。  MKS Integrity により開発プログラ ムのリビジョン管理が自動化されるの で、品質保証に対してメンバー間の協調 をとることができる。その結果、全体の 効率と生産性の向上につながる。  また、ロールバック、リリース再現も 含め、ソフトウェア構成に関する優良な 情報を取得することができる。 ●開発者のメリット  開発者ももちろん、リアルタイムで現 在進行している作業に影響する要件や、 設計の変更等の告知を画面から確認する ことが可能である。  メンバー全員が作業中の画面にアクセ スして要件を確認したり、設計内容やテ スト仕様についてドキュメントを閲覧し たりすることができ、プロジェクト全体 の生産性の向上を図ることができる。  プラットフォーム(*2)に依存せず、 あらゆる開発者がMKS Integrity を通 して作業にアクセスでき、マルチプラッ トフォーム開発に向けたプロセスのメ リットを享受することができる。  その他、以下のようなメリットがある。 ・ 開発者が個人ごとに利用できるワーク スペース ・パッケージの変更 ・リリースと履歴管理 ・並列開発をサポート ・ 互いに競合するプロセスの解決   (ワークファイルの結合) ・さまざまな統合開発環境の統合  以上が、プロジェクトのさまざまな立 場の人々から見た、MKS Integrity を 導入した時のメリットである。  次に、MKS Integrity の機能を少し 詳しく紹介する。 *1 WBS(Work Breakdown Structure)   WBS は、プロジェクトマネジメントで計画を立 てる際に用いられる手法の1 つで、プロジェクト 全体を細かい作業に分割した構成図。「作業分割 構成」「作業分解図」等とも呼ばれる。 *2 プラットフォーム   プラットフォームとは、アプリケーションソフト を動作させる際の基盤となるOS の種類や環境、 設定等のこと。Windows やUNIX、Mac OS は、 それぞれ異なるプラットフォームである。   また、OS にとっては、自らを動作させる基盤と なるPC/AT 互換機、Macintosh などのハード ウェアの種類がプラットフォームである。 3.MKS Integrityの機能紹介  MKS Integrity の基本機能の中から、 MKS Integrity とMKS Source の機能 について紹介をする。 ● MKS Integrity(プロセス管理)  アプリケーションライフサイクルの全 領域にまたがって存在する各種のプロセ スを、自社のスタイルに合わせて設定で きる。つまり、独自のワークフローを作 成することができる。  この設定されたワークフローを開発 チーム全員が利用することにより、ソフ トウェア開発の全プロセスにおいて標準 化を図ることができ、より完成度の高い 開発体制を作り上げることができる。 ● MKS Source(ソース管理)  ソース管理、ソフトウェア構成管理、 リソース管理の各機能を管理する。これ までと同じ開発作業をそのまま行いなが ら、作業内容の登録や履歴管理ができる。  この章では、前述したようにシステム 開発でさまざまなメリットを提供してい るMKS Integrity について、主要な基 本機能であるMKS Integrity とMKS Source を利用して、開発プロジェクト の情報や関連ファイルを登録する設定方 法を紹介したいと思う。 3-1.MKS Integrityの機能について  MKS Integrity の設定は、主にMKS Integrity Administration を使って設定 する。  MKS Integrity Administration のメ イン画面は、設定項目がツリー状になっ ており、設定したい項目をクリックする ことで、画面右側にその情報が表示され、 さらにその項目をクリックすることで詳 細を設定することができる。【図2】 @ MKS ドメインの設定  まずは、MKS Integrity を使用する ユーザーを、MKS ドメインに設定する。  MKS ドメインにユーザーを追加する 場合は、[MKS ドメイン]→[ユーザー] のツリー部分で右クリックし、ポップ アップメニューから[作成]を選択する。 【図2 @】  そうすると、ドメインユーザー作成画 面が表示され、ログインID、パスワード、 フルネーム(MKS Integrity 内で表示 される名称)、メールアドレスを登録す ることができる。【図3】  グループも同様に作成することにな る。グループ作成後、そのグループに割 当てるユーザーを登録する。また、グルー プに権限を付与することも可能である。 Aビューセット分布の設定  前述の、その他メリットに「開発者が 個人ごとに利用できるワークスペース」 を作成できると記述した。このワークス ペースを利用することにより、個人ごと にMKS Integrity の画面レイアウトを 自由にカスタマイズすることができる。  ビューセットの項目で、個人ごとある いはグループごとに基本的な画面項目配 置を設定し、項目の表示・非表示設定等 のレイアウトの設定をする。 Bワークフローの設定  図4 をご覧いただきたい。これはプロ ジェクトフェーズ例のワークフローであ る。「ステート」と呼ばれるステータス (「外部設計」や「プログラム開発」など がステータスにあたる)をあらかじめ設 定しておき、GUI 画面上でステートの つながりをドラッグ&ドロップで設定す る。【図4】  あとは、主担当者や作業予定時間、作 業実績時間などを登録するフィールドを 作成し、ステートごとに表示フィールド から使用したい項目だけを設定すれば、 ワークフローは完成する。【図5】  この作成したワークフローを開発者全 員で使用すれば、ソフトウェア開発プロ セスの標準化を図ることができる。  ステートは、名称やフィールド、権限、 ステート同士のつながりや分岐も自由に 設定することができる。すなわち、自社 のスタイルに合わせて設定できるため、 いろいろな部門を持った会社の管理にも 力を発揮する。  さらに、ステートを移行させる場合に