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2010_migaro_techreport_001   14 / 84

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12 データを連携できるようにした。【図1】 ●フォルダの自動作成  保存フォルダのカテゴリ(営業担当者・ 得意先・現場・返却日等)や階層を、任 意の組み合わせで自動作成できるように した。【図2】 ● INI ファイルの利用  営業店や担当者により使用方法や保存 方法が異なるので、INI ファイルにより 対応した。 ・保存フォルダのカテゴリや階層 ・4 枚印刷/8 枚印刷 ・保存機能の可/ 不可 ・過去のフォルダを記憶 など ●写真管理にサムネイル  写真管理ソフトのような、サムネイル を見ながらの作業を実現した。また、 Shift キーやポップアップメニューも採 用した。【図3】 ●「検収写真一覧」の出力  VB-Report を使用し、検収写真の印 刷(自動レイアウト)を実現した。【図4】 ・ A4 用紙に、4 枚/8 枚の写真を自動リ サイズしながらレイアウト形成。 ・ 伝票番号が変わると、自動的にページ 替え。 ・ 商品名と修理内容を自動印字。 問題点/ 解決方法  リリースにあたり発生した問題とし て、同じネットワーク環境の同一スペッ クパソコンにもかかわらず、パソコンに よってはパフォーマンスが悪く、数秒で 終わる処理が数分かかってしまった。 JPEG データのEXIF 情報の取得がボ トルネックになっていた。  原因を調査したところ、Delphi/400 ではなく、クライアントPC のOS 環境 で左右されていることが分かった。パ フォーマンスの悪いクライアントPC は、すべてWindows XP のSP2 だっ たため、SP3 をインストールすること で解決することができた。 成果  従来の問題点の多くを解消し、予算を かけずに自前で構築できたことが大きい。  ユーザーのさまざまな要望に対して、 Delphi/400 による開発で満足のいく結 果が出すことができた。 スプールファイルの PDF 化ソフト「スプールくん」 開発経緯  従来から、印刷コスト削減のため、印 刷物を減らしたい、スプール帳票をメー ルに添付したい、チェックだけなら印刷 せずに画面上でチェックしたいなど、さ まざまな課題を抱えていた。また、5577 系プリンターからの脱却も大きな課題と なっていた。  AS/400 上のスプールファイルをPDF 化するツールを検討したが、各種のツー ルはあるが高価だったり、専用サーバー が必要だったりして導入には至らなかっ た。今までは、AS/400 の帳票をPDF 化するには、一度印刷してからスキャ ナーで読み込んで作成していた。 Delphi/400 での開発に挑戦  Delphi/400を使用して、スプールファ イルのPDF 化する機能のプログラム開 発に挑戦してみようと考えた。 ミガロ. のテクニカルサポートを活用 して、Delphi/400 でプログラミングし たところ、意外に簡単に構築することが できた。  実装したプログラム画面と出力結果 は、図の通りである。【図5】【図6】  また、プログラムの主な処理内容は、 以下のような流れとなっている。 ● ListSpool400 → DataSource → DBGr id を使い、OUTQ(出力待ち行列) の中身をプログラム画面上に表示。 ● 該当スプールファイルをダブルクリッ クすると、Spool400 の各種プロパティ をセットし、Active 化。1 行ずつ Memo コンポーネントに貼り付け。 ● Memo コンポーネントに貼り付ける ことにより、スプールファイルの内 容をプログラム画面上で表示。 ●「PDF 作成ボタン」を押すと、該当 Spool400 のページ範囲をVB-Report にセット。VB-Report の出力先プリン ターを、PDF 出力ツール(PrimoPDF や Adobe PDF 等)に設定し、ファイ ル名を現在日時で出力。 創意工夫した点  開発にあたっては、以下のような点を 工夫している。 ● VB-Reportで使うExcel フォーマットは 2 種類で対応  桁数198 用と132 用(固定幅フォント) ●クライアントに依存する設定値は INIファイルに持たせる ・OUTQ(出力待ち行列) ・PDF 作成ツール ● ファンクションキーの多用  ページ送りやフォントのサイズ変更 を、ファンクションキーに割り当てた。 問題点  APW には対応していない。APW を 使用している帳票は、個別にデザインす る必要がある。 成果  スタートしたばかりだが、ユーザーか らは好評である。実際に、印刷コストも 少しずつだが減少している。なお、作成 したPDF は「テキスト検索」が可能なの で、保存しておけば検索が柔軟にできる。 最後に  予算があれば、市販のBI ツールや電 子帳票ツールを導入できるが、Delphi/ 400 を使用して開発すれば、自社に特化 したこのようなツールを構築可能だ。  今後は、GUI 化によってユーザービ リティを向上させ、AS/400 上に蓄積さ れているデータを、売上戦略に貢献でき るデータへと変換し、ユーザーに提供で きるようシステムを構築していきたい。 M