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16 Migaro.Technical Award 2010 シルバー賞 Delphi/400で鉄鋼受発注業務を 統一し 鉄鋼EDIも実現 柿本 直樹 様 合鐵産業株式会社 経理部 システム担当 係長 合鐵産業株式会社 http://www.go-sun.co.jp/ 70 年余りの歴史を持つ鉄鋼メー カー「合同製鐵(東証1 部)」の販 社として設立。鉄鋼材の専門商社と して事業を営む。特に、建築用の鋼 材に関しては原料仕入から仕上げま で一貫して自社で加工を行い、製品 の付加価値を高めている。 受発注の全社管理  当社は、合同製鐵グループの鉄鋼商社 として事業を行っており、現在に至るま でグループ内での統合を繰り返してき た。そのため、業務手順や管理資料が部 署・個人ごとにバラバラで“標準化”が 全く図れていなかった。  特に、受発注に関しては、営業担当者 がプライベートに管理資料を作成/ 管理 している状態が多く見受けられ、外部か らの状況把握が困難で大きな人的リスク を伴っていた。  ビジネスの基軸である鉄鋼製品に関し て言えば、当社の流通という立場からも、 受発注の管理は欠かせない。そこで、正 確な受発注の状況を把握し、情報を会社 全体でオフィシャルに管理/ 共有できる 仕組みを導入して、システム化をするこ ととなった。もちろん、業務手順の統一、 資料等の様式の標準化を行うことも必須 であった。【図1】 Delphi/400 の 選定理由  Delphi/400 は、現状のExcel 資産を 生かすことができ、リアルタイムに収集 される情報を活用する手段として導入を 行った。  多々あるアプリケーションの開発ツー ルの中から、Delphi/400 を選定したの は、主に以下のような理由である。 (1)IBM i との高い連携力  現状のRPG やCL を流用できること。 (2)開発時間の短縮  RPG やCL を混在させたまま開発が できるため、Delphi で複雑なプログラ ムを開発する必要がなく、結果として全 体の開発工数を抑えることができる。 (3)データ取得の容易性  IBM i 内のデータを、Excel の形で容 易に取得できる。 受発注管理システムの 再構築  システムを再構築する上で、次の3 項 目が必要最低限の前程条件となった。 【受発注管理の前程条件】 (1)業務手順の統一、資料等の様式の 標準化 (2)事務作業の効率化 (3)鉄鋼EDI によるデータ送受信 (1)業務手順の統一 資料等の様式の標準化  業務手順を統一することは管理上、必 要不可欠であるが、反面、営業担当の個々 人の営業スタイルを否定するようなこと にもつながる。  営業の担当者には誰しも特有のスタイ ルがあり、それに自信を持ってビジネス に取り組んでいる。実績さえ上げていれ ばかまわないではないかとか、業務プロ セスに第三者が口を挟むのを快く思わな い担当者も少なくなかった。