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20 Migaro.Technical Award 2010 優秀賞 Delphi/400で EIS(Executive Information System)の高速化 ―リアル性の高いデータの提供へ 小島 栄一 様 西川計測株式会社 営業統括本部室 情報企画部 西川計測株式会社 http://www.nskw.co.jp/ 横河電機の総合代理店。技術商社と して、制御情報機器、計測器、分析 機器等の販売と、それに伴うエンジ ニアリング、ソフトウェア開発、計 装工事、保守サービスなどを提供し ている。 EIS とは 「Executive Information System」と は、日々の営業活動で発生する財務系情 報および販売管理系情報を加工し、経営 情報として経営幹部層に提供するシステ ムである。  EIS 情報は、AS/400 内の財務系情報 と販売管理系情報を集計し、ミドルウェ ア(転送ソフト)を使って1 時間に1回 のバッチ処理で、EIS 用DB(Oracle) に転送を行っている。 問題点  次のようなことが、課題になっていた。 ● AS/400 内の集計バッチ処理の終了時 間が不明のため、集計処理の終了時 間を最大時間に設定して転送ソフト を起動しなければならなかった。(全 体処理時間の遅延) ● 集計するバッチ処理において転送障 害が発生することがあり、正しいデー タが提供できない状況があった。 ● 2009 年に財務系システムのSuper Stream を導入したことにより、シス テムが分断された。そのため、勘定 系情報の集計操作が手動になり、運 用が煩雑となった。(集計漏れの発生) ● 一度締めた月を再集計する場合は、 複雑な手順を踏む必要があった。 @ SuperStream 側において前月分を再 配賦処理した後、結果をAS/400 に 取り込む。 A 取り込んだ後、AS/400 側で再集計する。 B 集計結果を、EIS 用DB(Oracle)に 転送する。 Delphi/400/400 に よる解決ソリューション  課題解決のために、Delphi/400/400 を用いて、EIS の集計システムを全面的 に再構築することを決定した。さらに、 ミドルウェア(転送ソフト)を使って連 続処理することで、一連の処理時間を短 縮することも検討した。【図1】【図2】 ● Delphi/400 でAS/400 から集計対象 月を読み込み、SuperStream 内の経 費を配賦するプログラムを、SQL コ マンドで起動する。 ● 経費配賦したファイルをDelphi/400 でAS/400 に書き込み、全体を集計 するCL を起動する。 ● 前月分の締めが未完了の場合、当月 の月初の数日間は、今まで前月分し か集計できなかった。 →前月分の締め前でも、前月分だけ でなく今月分も集計ができる。 ● 一度締めた月を再集計する場合、今ま では複雑な手順を踏む必要があった。 → Delphi/400 で再集計したい月を指 定するだけで、簡単に再集計処理が できる。 ● 上記処理中に発生したエラーは、す べてエラーログとして出力する。さ らに、異常の発生時は、処理担当者 にメールで異常を通知する。