24 クセスする必要があった。加えて、イン トラ環境で稼働させたいという要件も 持っていた。 　この2 点をポイントとして考察した結 果、「PHP ＋ Delphi/400 ＋ RPG」とい う組み合わせで実現できないか、を検討 してみることにした。【図2】 　まず、物流区画の出荷予定ファイルか ら、基幹区画のワークファイルを作成す るRPG プログラムを作成する。続いて、 TCall400 コンポーネントを使用して、 RPG を起動するDelphi/400 プログラム を作成した。さらに、Delphi/400 プロ グラムを起動し（exec 関数を使用する）、 ワークファイルを読み込み、表示するP HP プログラムを作成した。 　ちなみに、厳密にいうと実際に Delphi/400 でキックするオブジェクト は、OVRDBF を定義したCL プログラ ムを利用している。【図3】 結論：TCall400 コンポーネントは有効 　個人的には、今回のシステム開発に独創 性や工夫はそこまでないかと考えている。 　ただ、「PHP からRPG を動かせれば いろいろと使えるのに・・・」という悩 みが、実際に「Delphi/400 と連携させ てみたら動いた」というきっかけになっ たと思う。 　TCall400 コンポーネントは非常に便 利で、価値のあるIBM i を最大活用す ることができるDelphi/400 の機能だと 思う。「これがPHP（イントラ環境）か ら使用できたら・・・」という思いで、 今回のシステムの開発に取り組んだ。 　TCall400 コンポーネントを利用する ことで、パラメータのやり取りも非常に 容易に、かつコーディング量も少なくて CL プログラムを起動することができた。 TCall400 コンポーネントだけに限らな いが、Delphi/400 の持つIBM i 専用コ ンポーネントの存在に改めて感心した。 【ソース1】 　TCall400 コンポーネントが、Delphi/ 400 でのクライアント/ サーバー型アプ リケーションでも、PHP などのWeb ア プリケーションからでも使用できること は、当社にとって非常に有効な機能とい う結論に至った。 展望：「難解なビジネスロ ジック」を使用したイントラ 　Delphi/400 がPHP（イントラ環境） で使用できる、ということは確認できた。 　ただ、不特定多数のユーザーからのリ クエストにどこまでたえうることが可能 なのか、という検証はできていない。今 回のシステムのユーザーは2 .3 名程度 で非常に少ない。排他制御を含め、検討 課題はまだまだあると考えている。 　引き続きこれらの課題に取り組み、課 題をクリアできれば、冒頭で記述した「難 解なビジネスロジック」をDelphi/400 で使用したイントラ、そして、インター ネットシステムに構築し、展開したいと 考えている。 　今回使用したPHP 環境自体は無料で ある。低コストな環境をフルに生かして、 高品質な開発を検討していきたい。 　また、Delphi/400 でのWeb アプリ ケーションにも、一度チャレンジしてみ たいと考えている。 評価：可能性に期待 「PHP ＋ Delphi/400 ＋ RPG」の新シ ステムは、レスポンス面では、稼働速度 も問題なく、非常に単純な画面というこ ともあり、これといったトラブルもなく 稼働している。 　Delphi/400 ミドルウェアが高速であ るので、エンドユーザーにとってもスト レスのないレスポンスを実現できている と思う。 今回PHP と組み合わせることで、ま た1 つ新しいDelphi/400 の活用手段を 発見することができた。今後も工夫しな がらDelphi/400 のさまざまな機能を活 用していく予定で、Delphi/400 の可能 性に多いに期待している。 M