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27 Migaro.Technical Award 2010 優秀賞 Delphi/400を使った 取引先管理システム 大崎 貴昭 様 森定興商株式会社 システム運用部 係長 森定興商株式会社 http://www.morisada.jp/ 森定興商は、パイプや鋼材、建材な どの生産材を取り扱う商社として、 今年で80 周年。日本のインフラ整 備や“サステイナブル(持続可能)” な社会のために「変革と挑戦」の姿 勢を重視、80 余年変わらない誠意 で変化に柔軟な組織づくりを目指し ている。 1. Delphi/400 に 巡り合う  当社の商事部門では、新たに顧客と取 引するためにまず、「取引稟議書」とい うWord 文書を作成・印刷して、印鑑決 裁にて上層部に回り最終決裁がおりる。  取引開始の決裁がおりたら今度は、「取 引先カード」というExcel 文書を作成・ 印刷する。そして基幹系販売システムで 使えるようにするために、「取引先コー ド申請書」を作成する。「取引稟議書」「取 引先カード」で入力した同じ内容を、基 幹系端末画面から入力・印刷し、印鑑決 裁にて上層部に回る。その後、私が所属 するシステム運用部に「取引先コード申 請書」が回ってきて、ようやく販売シス テムの「取引先マスター」に登録が完了 し、ユーザーが利用できるようになる。  最終的に販売システムで使えるまでに ユーザーは、同じ内容を3 回も入力しな ければならない。  こんな姿を苦々しく見ていたある日、 Delphi/400 というものに巡り合う時が 来た。2006 年夏のことである。  当社の基幹系システムは、RPG での 自社開発を行ってシステム化がほぼ完了 していた。そんな基幹系システムだが、 グリーンスクリーンの画面は上層部から の受けが悪く「今風のWindows ライク な画面にせよ!」という声が挙がっていた。  そんな折、ある展示会で見かけたのが Delphi/400 で、これなら既存のプログラ ムにさほど手を加えずに満足いくものが つくれそうだと直感した。早速ミガロ. 主催の「Delphi/400 体験セミナー」に 申し込んで実際に触れてみて、これなら ばと確信。上司を説得し即購入に至った。 2. Delphi/400 の トレーニングコース  私は入社以来RPG 開発一本槍で来て おり、Delphi/400 での開発は遅々とし て進まなかった。そんな中、2007 年に 我がシステム運用部に新人社員が配属と なった。  当初彼女には、基幹系システムの開発 に携わってもらうつもりでいたが、Del phi/400 を導入したのでCL やRPG の 開発ではなく、Delphi/400 の開発要員 として育てようと思った。  何とか予算を獲得して、彼女をDelphi /400 のトレーニングコースに派遣した。 入門トレーニングと基礎トレーニングを 終えた彼女は、仕事に意欲的に遊び心も 生かしながらアプリ開発を学んでいった。  私はというと、既存のRPG アプリを Delphi 化するためのプログラム仕様書 をせっせと作っていた。そしてDelphi/ 400 の開発を彼女に託した私はプログラ ム仕様書を彼女に渡し、必要とあれば RPG でサブプログラムを作った。  そしてDelphi/400 を使ったアプリが 徐々に増えていった頃である。  「取引先管理をDelphi で一元化する」 という話が上司から持ちかけられた。 3. Delphi で レコードのアップデート  取引先管理をDelphi で一元化。冒頭