【DO!BOOK・ページリンク】
migaro_tech2012   52 / 100

BOOKをみる

10秒後にBOOKのページに移動します


50 前田 和寛 株式会社ミガロ. システム事業部 システム2課 ●オブジェクト指向プログラミング ●コンポーネントのカスタマイズ ●コンポーネントへの機能追加 ●まとめ 1. オブジェクト指向 プログラミング  システムの構築・運用において、開発 効率の向上を図ることは非常に重要であ る。プログラミング/メンテナンスの効 率化を目的として、Delphi 言語を選択 する開発者も多いのではないだろうか。 Delphi 言語の特徴はコンポーネントパ レット、オブジェクトインスペクタを中 心としたビジュアル開発ができることだ が、本質はオブジェクト指向を取り入れ ている点にある。  オブジェクト指向プログラミングと は、オブジェクトを中心に考えていくプ ログラミング手法のことだ。オブジェク ト指向プログラミング言語では、その言 語が備えるクラスと継承の仕組みを利用 すると、開発効率が格段に向上する。  Delphi/400 ももちろんクラスと継承 の仕組みを備えており、その代表的なク ラス継承は以下である。 ・コンポーネントの継承(以下、カスタ マイズとする) ・フォームの継承  今回は、上記のうち、コンポーネント の継承、カスタマイズを行うと、どのよ うに開発効率が向上するのか考えてみよ う。  通常、システムを運用・稼働している と、エンドユーザーから変更要望が出て くる。例えば、「照会画面でデータの並 び順を変更したい」という要望があがっ たとする。この場合、対象画面に「デー タの並び順を変更する」処理を追加すれ ばよい。しかし、対象が1 画面から10 画面に増えると、それに伴い開発工数も 増えてしまう。一方、コンポーネントを カスタマイズする場合、対象画面が増え ても開発工数は画面数に依存しない。ま た、コンポーネントで処理記述を一元管 理できるため、画面ごとの動作検証も必 要最低限で済む。  本稿では、コンポーネントのカスタマ イズにより、Delphi/400 の開発効率を 向上させる方法を紹介したい。  なお、フォームの継承方法については 『ミガロ. テクニカルレポート 1 2008 秋』のレポート「フォーム継承による効 率向上開発手法」で分かりやすく紹介し ているので、ぜひ参考にしていただきた い。 2.コンポーネントの カスタマイズ  コンポーネントの継承の概念につい て、Delphi/400 の開発でよく利用する TEdit とTMaskEdit を例に考えてみよ う。  TEdit とTMaskEdit はクラス定義が 異なるが、コンポーネントの機能・性質 についてはそれほど大きく変わらない。 その違いはTMaskEdit のクラス名が示 すとおり、EditMask プロパティが定義 されているくらいだろう。TEdit と TMaskEdit は継承元のコンポーネント が共通のため、機能・性質が非常に近い のである。これらは、コンポーネントの 継承関係を図式化して確認すると非常に コンポーネントのカスタマイズ(継承、機能追加)を用いて、 Delphi/400 の開発効率向上ノウハウを解説する。 略歴 1983 年11 月21 日生まれ 2006 年大阪工業大学情報科学部卒 2006 年04 月株式会社ミガロ. 入社 2006 年04 月システム事業部配属 現在の仕事内容 Delphi/400 を利用した、システム の受託開発および保守対応などを担 当している。 カスタマイズコンポーネント入門 ―開発効率向上テクニック