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migaro_tech2012   54 / 100

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52 分かりやすい。【図1】 ●カスタマイズのポイント  カスタマイズを行う際には注意すべき ポイントが存在するので、以下に説明す る。これらのポイントに気を付ければ、 コンポーネントのカスタマイズも容易に できる。 (1)コンポーネントを継承する  カスタマイズはコンポーネントを継承 利用する。つまり、新しい機能・性質を 追加する際、継承元のコンポーネントで 定義されたプロパティ、手続き、関数を 利用できる。  例えば、TMaskEdit をもとに作成し たカスタマイズコンポーネントをコン ポーネントA、TEdit をもとに作成し たカスタマイズコンポーネントをコン ポーネントB とする。コンポーネント A はTMaskEdit を継承しているため、 EditMask プロパティを利用できる。そ れに対して、コンポーネントB の継承 元であるTEdit にはもちろんEditMask プロパティが定義されていないため、コ ンポーネントB ではEditMask プロパ ティを利用できない。 (2)動的なコーディングを行う  コンポーネントは不特定多数のプロ ジェクトで利用するため、処理記述を動 的に行う必要がある。通常、TButton のAction プロパティにAction1 が割り 当てられている場合、Action1 と指定す ればよい。しかし、カスタマイズコンポー ネントの処理記述では、同様にAction プロパティの設定内容を指定する場合、 自身を基準としてSelf.Action と動的に 表現する(Self は省略可)。 ●カスタマイズの手順  ではここから、実際にDelphi/400 で カスタマイズコンポーネントを作成する 手順を紹介していこう。今回は、 TDBGrid を継承してTTRDBGrid とい うカスタマイズコンポーネントを作 成する。なお、図表の開発環境は Delphi/400 Version2010 を使用してい る。 @コンポーネントを新規作成する  メニューの[ファイル|新規作成|そ の他]を選択する。新規作成ウィンド ウの[Delphi プロジェクト| Delphi ファイル|コンポーネント]を選択する。 【図2】 A継承元コンポーネントを指定する  VCL コンポーネントの新規作成ウィ ンドウの第1 画面で、コンポーネントの リストからTDBGrid を選択し、[次へ] ボタンを押下する。【図3】 B新規コンポーネントの設定を行う  VCL コンポーネントの新規作成ウィ ンドウの第2 画面で、「クラス名」に TTRDBGrid、「パレットページ名」に TechnicalReport を設定する。  今回のカスタマイズコンポーネントの インストール時、この「パレットページ 名」の設定値が、新規追加されるコンポー ネントパレットのパレットページ名とな る。【図4】 C pas ファイル名を指定する  VCL コンポーネントの新規作成ウィ ンドウの第2 画面で、「ユニット名」に TechnicalReportControl.pas を指定す る。作成するカスタマイズコンポーネン トのpas ファイル名、および、保存先 を指定する。今回は、保存先にC:\ Projects\TechnicalReport\Lib を指定 する。【図4】【図5】  手順@.Cにより、TDBGrid を継承 したTTRDBGrid というカスタマイズ コンポーネントを作成できた。ただし、 生成されたソースを見れば分かるよう に、まだ個別に機能を追加していないた め、TTRDBGrid はTDBGrid と機能的 に変わらないテンプレートである点に注 意してほしい。【図6】  作成したコンポーネントを Delphi/400 開発環境へインストールす るには、パッケージファイルが必要とな る。続けて、パッケージファイルを作成 する手順を紹介しよう。 Dパッケージファイルを新規作成する  メニューの[ファイル|新規作成| パッケージ]を選択する。Package1. bpl が新規作成されたのが確認できる。 【図7】 Eコンポーネントを追加する  メニューの[プロジェクト|プロジェ クトに追加]を選択する。プロジェクト に追加ウィンドウで、C:\Projects\ T e c h n i c a l R e p o r t \ L i b の TechnicalReportControl.pas を指定す る。  コンポーネントの追加後、メニューの [ファイル|すべて保存]を選択し、同 じフォルダにTechnicalReport.dproj として保存する。【図8】  手順DEにより、コンポーネントのイ ンストール用パッケージファイルが作成 できた。なお、これまで作成したコンポー ネントやパッケージファイルは配布を行 うことで、他のユーザーがDelphi/400 開発環境へインストールして共有するこ とができる。  最後に、パッケージファイルを使って、 コンポーネントをインストールする手順 を紹介しよう。 Fパッケージファイルを開く  メニューの[ファイル|開く]を選択 する。プロジェクトを開くウィンドウで TechnicalReport.dproj を選択し、パッ ケージファイルを開く。 Gコンポーネントをインストールする  メニューの[プロジェクト|プロジェ クト名を再構築]を選択する。再構築後、 プロジェクトマネージャの TechnicalReport.bpl を右クリックす る。表示メニューの「インストール」を 選択する。  インストール後は図のように、 TTRDBGrid を正常にインストールで きたことを確認できる。【図9】 H Delphi/400 開発環境のライブラリパ スの設定を行う  メニューの[ツール|オプション]を 選択する。オプションウィンドウの[環 境オプション| Delphi オプション|ラ イブラリWin32 |ディレクトリ|ライ ブラリパス]の[…]ボタンを押下する。 ディレクトリウィンドウでC:\Projects\ TechnicalReport\Lib を指定する。【図 10】  インストールしたコンポーネントを開 発で利用する場合、Delphi/400 開発環