4 １. Web-EDI 開発の 経緯 　極東産機株式会社は、畳業界・インテ リア施工業界のニーズに合わせたオリジ ナル製品を開発・生産し、全国の代理店 経由で販売している。その出荷量は１日 数千アイテム。全国の代理店から毎日、 在庫の問い合わせがあり、関東・関西2 カ所の受注センターで電話対応と注文の 入力を行っている。 　当社の在庫をリアルタイムで知りたい 代理店のニーズと、その電話対応（在庫 確認等）など受注センターの事務処理を 軽減したい当社。そこで、双方にメリッ トのあるシステムを目標として、当社の 在庫情報をインターネットを介して代理 店に開示し、さらに情報照会だけでなく 注文も行える仕組み「Web-EDI」の構 築を決定した。そして、その開発ツール としてJC/400 を採用した。 ２. 短期間での開発手法 　2011 年3 月初めに、代理店向けWeb サイトの構築を決定。それ以降は、4 月 に開発ツールの選定、5 月に開発着手、 11 月に本稼働とする計画を立てた。し かし、3 月11 日に東日本大震災が起き、 急きょ、震災対応システムの開発を5 月 .8 月末に行うことになった。Web-EDI の構築はその後となったが、12 月発刊 の「総合カタログNo.12」号と同時公開 としたため、開発期間が2 カ月余りしか なく、短期構築の方法を模索した結果、 次のような方法を取った。 （1）ミガロ. JC/400 基礎コースの受講 　開発担当者は1 名。RPG とNotes の スキルを持つものの、Web 開発の経験 はない。 　そこで、JC/400 の教育コース（所要 1 日）の受講にあたって、事前に開発基 礎コースのテキストとJC/400 の開発マ ニュアルが入ったCD-ROMをミガロ.か ら受領し、予習の上、講習にのぞむこと とした。 　教育用のテキストは全95 ページ。 JC/400 の概要からHTML のコーディ ング、RPG が自動生成された後の変更 箇所まで、未経験者にも分かりやすく解 説してある。このテキストをある程度理 解してから受講できたので、１日の受講 でJC/400 Designer の操作方法を含め、 一通りの開発手法をマスターできた。こ のテキストは、JC/400 の開発に慣れた 今でも大事なバイブルとなっている。 （2）テンプレートの活用 　Web サイトを一から開発したのでは 短期開発は困難である。そこで構築する サイトのイメージに合ったテンプレート を探し、それをカスタマイズするように した。 　テンプレートは書籍、ネット上のフ リーテンプレートから探した。また、ロ グイン画面から、ログイン後のメニュー、 在庫照会画面、注文画面等の開発するす べての画面イメージをワープロで作り、 その画面イメージを叩き台に営業部門と Migaro.Technical Award 2012 最優秀賞 部門 1 JC/400による取引先とのWeb-EDIシステム構築 ―RPG技術者1名　2カ月で開発し、本稼働を実現した手法 久保田 佳裕 様 極東産機株式会社 社長室 主幹技師 極東産機株式会社 http://www.kyokuto-sanki.co.jp/ 昭和23 年に畳の製造機器メーカー として創業以来、職人さんの快適な 職場環境作りと消費者の豊かな生活 空間作りを２本柱として、伝統技術 と先端技術の融合により、ユニーク なオシジナル商品を開発。畳製造機 器はもとよりインテリア施工省力機 器、カーテン縫製機器等、幅広く事 業を拡大している。