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migaro_tech2012   76 / 100

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74 尾崎 浩司 株式会社ミガロ. システム事業部 プロジェクト推進室 ●3層アプリケーションとは ●DataSnapとは ●DataSnapサーバプログラム作成手順 ●DataSnapクライアントプログラム作成手順 ●Windowsサービスを使用したDataSnapサーバの作成 ●サーバメソッドを呼び出すクライアントプログラムの作成 ●最後に 1. 3層アプリケーション とは  一般的にクライアントサーバ型アプリ ケーションというと、画面処理+ビジネ スロジックを担当する「クライアント(ア プリケーション層)」とデータを保持す る「データサーバ(データ層)」の2 階 層で構築することが多いだろう。  対して、3 層アプリケーションとは、 画面処理を担当する「クライアント(プ レゼンテーション層)」、ビジネスロジッ クを担当する「アプリケーションサーバ (アプリケーション層)」およびデータを 保持する「データサーバ(データ層)」 の3 階層に分割して構築するクライアン トサーバ型アプリケーションのことを指 す。【図1】  3 階層の特徴は、ビジネスロジック部 分をアプリケーションサーバ上のプログ ラムとして、クライアントPC 上で実行 される画面処理部分のプログラムと完全 に分離することにある。  3 層アプリケーションとしてシステム を構築するメリットとしては、次のよう なことが挙げられる。 (1) ビジネスロジックの変更が行いやす い (2) 大量データを取り扱うアプリケー ションが構築しやすい (3) クライアントPC の環境構築がシン プルになる (1)2 層アプリケーションのケースで は、ビジネスロジックがクライアント PC 上にあるため、仕様変更が必要となっ た場合、都度クライアントPC へ最新モ ジュールの再配布が必要となる。  対して、3 層アプリケーションとした ケースでは、ビジネスロジックがアプリ ケーションサーバ上にあるプログラムと なるため、画面処理部分の変更がない限 り最新モジュールはアプリケーション サーバにのみ適用すればよい。 (2)3 層アプリケーションとしたケース では、ビジネスロジックを記述したプロ グラムとデータベースとのやり取りが サーバ間でのネットワーク通信となり、 サーバ⇔クライアント間のやり取りは、 画面処理に必要な情報のみに絞り込むこ とができる。  これは、ビジネスロジックが大量の データを処理する必要がある場合に、遠 隔拠点に配置したクライアントPC から 実行指示を行う際の、処理レスポンス向 上に大きく寄与するだろう。 (3)通常2 層アプリケーションのケース では、クライアントPC 上にデータベー ス通信用の専用モジュールをセットアッ プしなければいけないが、3 層アプリ ケーションとしたケースでは、クライア ントPC は直接データベースを参照しな いため、クライアントPC にデータベー ス通信用モジュールが不要となる。  よって、Delphi/400 の特徴であるラ ンタイム不要な実行モジュールが作成で きる点を最大限に活用することが可能に なる。つまり、クライアントPC には、 実行モジュール(Exe)だけ配布すれば DataSnapを使用した3層アプリケーション構築技法 多層型アプリケーションのためのフレームワーク「DataSnap」。 これを活用し、Delphi/400 のスキルだけで構築を実現する。 略歴 1973 年08 月16 日生 1996 年三重大学工学部卒 1999 年10 月株式会社ミガロ. 入社 1999 年10 月システム事業部配属 現在の仕事内容 ミガロ. 入社以来、主にDelphi/400 を利用した受託開発を担当している。