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migaro_tech2013   16 / 100

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14  CTI を動作させるには、まずCTI に 対応可能な電話の主装置が必要である。 主装置は、「BIG 顧客ProCTI」の導入 時に、NTT のα NX に切り替えた。そ して、PC にNTT より納品されるNX − CTI ミドルウェアをインストールす る。このインストールにより、電話機(内 線番号)と電話の主装置とPC の紐付け が行われる。また、NTT 製ソフトの中 にはα CT ベーシックシステムがあり、 そのソフト起動により電話機とPC の紐 付けができているかを確認できる。 (2)Delphi/400 とCTI 連携方法の確認  α CT ベーシックシステムは、 ActiveX CT 協議会のACT コントロー ルに対応とのことなので、ミガロ.導入 支援担当に確認してみた。すると、 Delphi/400 のコンポーネントとしてイ ンポートできるとの回答を得た。  早速インポートを行うと、ActiveX コントロールからプログラムソースが展 開され、そのソースをpas(Delphi ソー スファイル)で保存した。  プログラムソースの展開や保存後の方 法について、再度ミガロ.へ問い合わせ をし、回答を得た。【図1】  コンポーネントのインストールを行う と、ツールパレットにActiveX のペー ジができて、その中にACTFrontCtl の コンポーネントができたので、そのコン ポーネントを画面に貼り付けた。【図2】  そこから先がまたわからなかったが、 ActiveX から展開したソースを見てい ると、参照元がC:\WINDOWS\system 32\ACTFront.ocx であることがわかっ た。同じフォルダーのACTFront.ocx を見ていると、並びにACTFRONT. HLP ファイルを発見し、これを開いて みるとアプリケーション開発、リファレ ンス、定数一覧があり、参照しながら組 み立てることができた。 (3)CTI 連動システム開発のポイント  Delphi/400 による「新システム」では、 顧客マスター保守がメインで、CTI は あくまでも1 機能とした。電話を利用し ない部署もあるため、顧客マスタ保守は 必要最低限の機能を共通機能とし、利用 したい機能を追加で選択できる形にし た。他方、電話を受ける部門では、CTI で自動表示できる情報を最大限に発揮で きる内容を目指した。  電話番号に関する実務面の工夫とし て、顧客情報にはメイン番号(通常は固 定電話)・携帯電話番号・別送先電話番 号の3 つが存在しているケースがあり、 それぞれをCTI で連動させることとし た。また、同じメイン番号に対して1 家 族内から数人が登録されることもあり、 電話番号+’A’、’B’……と複数登録 されているケースにも連動させることと した。  CTI の仕様としては、電話の着信時 は「顧客マスター保守」画面上部に複数 候補から1 行だけを自動的に表示し、通 話時には、複数候補の1 番目を自動で展 開させ、一覧選択で切替可能とした。 (4)Delphi/400 でのプログラミング内容  CTI 機能フォームを作成し、 ACTFrontCtl のコンポーネントを貼り 付ける。他の必要部品もフォームへ貼り 付けて、画面を完成させる。【図2】  ロジックとしては、FormCreate の時 にOpen とLogin、FormClose の時に Disconnect とLogout とClose をする。 ACTFrontCtl のイベントOffering に は、電話が鳴った時の処理を記述した。 ACTFrontCtl のイベントDataReceived には、通話した時の処理を記述した。 【図3】  また、メイン・携帯・別送電話の連動 については、3 つのSELECT 文を UNION でつなぐことで候補一覧を表示 し、選択で切り替え可能とした。電話番 号+’A’、’B’……と複数登録されて いる対応には、WHERE 中でLIKE を 使用し、前方一致条件とした。 システム開発について の評価と感想 ・Delphi/400 を知らなかったSE が1 .2 か月で実現  CTI の動作環境は揃っていた。 Delphi/400 で構築するための調査はミ ガロ.の支援により実現できた。開発の ポイントはテクニカルセミナーなどでヒ ントを得た結果、プログラミングは非常 にシンプルであった。  最初の「はたしてDelphi/400 で、 CTI は実現可能なのか?」は、やって みると「簡単にできた」の一言に尽きる。  現に、2012 年3 月にDelphi/400 導 入決定、4 月インストール、5 月トレー ニングコース(開発入門、開発基礎)受 講、そして6 月にはCTI をDelphi/400 で動かすところまでできた。その後、微 調整等はあったが、Delphi/400 を知ら なかったSE がわずか1 .2 か月で構築 できた。  ここで得た結論としては、Delphi/400 にActiveX 等を組み込むことにより、 わずかな時間で意図していることが実現 可能ということだ。 ・お客様とCS の関係をスムーズに  ここまでが現状のCTI 開発であるが、 今後は、CTI で顧客情報に関して芋づ る式にどれだけ必要な内容を表示できる かがカギであり、お客様とCS(カスタ マーサービス)部門の関係をいかにス ムーズにさせるかに焦点をあてたい。  現在表示できる内容は、電話対応履歴・ 購入履歴・購入履歴1 番目の荷物追跡(通 常:佐川Web、メール便:ヤマトWeb)・ 定期登録内容・DM 履歴・Google 住所 マップ・メール履歴となっており、これ らをさらに充実させていきたい。  今後の予定はまだ構想中ではあるが、 メソッドとしてCALL があり、PC 上で 発番(電話発信)可能なため、CS 担当 者ごとに本日電話する一覧を表示し、選 択すると発番する仕組みを構築できたら と検討中である。 エンドユーザーの評価・ 評判・反応  CTI の恩恵を一番受けるのがCS 部門 であるが、平均年齢が高めでもあり一度 IBM i(5250 画面)で覚えているので、 一気に切り替えが難しい状況にあり、現 在のところ併用している。  新システムの使用感想としては、「以 前は画面遷移が多いため、一度に複数の 情報が見られなかったが、新システムで は一度で情報が見え画面遷移せず処理が できるため、作業効率が上がった」や「一 度に見られる情報が増え、自動で表示さ れること」との評価があった。この評価 は、5250 画面からDelphi/400 に切り換 えたこと、およびCTI 機能も含めての ものである。【図4】.【図9】  CTI 機能の利用は電話対応において