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migaro_tech2013   36 / 100

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34 業務課題  社内の受注出荷業務をDelphi/400 に よりシステム化したが、日々発行する出 荷伝票を出力する時や用紙の差し替え時 に、5250 画面を立ち上げメッセージに 応答する作業が社内に浸透しなかった。  毎日夕方になると10 か所ある拠点か ら「伝票が出ない」などの電話があり、 日々対応に追われていた。  業務担当者からは、Delphi 画面と 5250 画面を並行的に使うことに対する 抵抗もあった。 技術課題  Delphi で、5250 画面のコマンド 「WRKOUTQ xxxOUTQ」の照会結果 のような画面を作成して、印刷ボタンを クリックすると、自拠点の印刷待ち行列 を対象として、自動的にAS/400 がメッ セージに応答して帳票を印刷する、とい うシステムを作る計画を立てた。  技術的には、以下が課題となった。 【課題1】  拠点ごとにOUTQ を作成したが、ど の拠点が、どのOUTQ 情報を照会する か。 【課題2】  WRKOUTQ 照会画面のようにいった ん画面が止まり、業務担当者が印刷待ち 行列を目視確認し、次のアクションで自 動的に印刷をさせるためには、どのよう な工夫が必要か。 技術課題の解決策  ListSpool400 コンポーネントを利用 し、課題を解決した。 【課題1】  業務担当者のログインユーザーID に 対してOUTQ を紐づけするテーブルを、 AS/400 上に作成して、ListSpool400 の OUTQ パラメーターにセットすること で実現可能となった。 【課題2】  WRKOUTQ のような照会画面は、 ListSpool400 をOpen し、ListSpool400 の必要項目をDBGrid にフィールドを 割り当て、目視確認ができるようにした。  印刷ボタンのクリック時に、 ListSpool400 に各行(各待ち行列)を1 レコードずつ読み込み、Call400 でCL プログラムを起動し、パラメーターを送 りCL プログラム内のコマンド CHGSPLFA にパラメーターをセットす ることにより、印刷装置への転送が可能 となった。  スプールのメッセージは、あらかじめ AS/400 で、コマンドWRKRPYLE で メッセージ自動応答を組み込んでおく必 要がある。【図1】【ソース1】【ソース2】 業務課題の解決と効果  まず、各拠点の業務担当者から日々の 電話がなくなった。業務担当者は、プリ ンターに対し用紙の差し替えのみ行うと いう単純作業で帳票が印刷できる。 Migaro.Technical Award 2013 優秀賞 部門 2 5250画面を使用せずに AS/400 スプールファイルをコントロールする 白井 昌哉 様 太陽セメント工業株式会社 経理部 業務推進室 部長 太陽セメント工業株式会社 http://www.taiyo-cement.co.jp/ 建築用ブロックや舗装材など、さま ざまな用途に使用されるコンクリー トブロックの製造を行っている。業 界におけるパイオニア企業として、 排気ガスを浄化するブロック、緑化 ブロック、個性的で美しいブロック など、常に時代が求めるニーズを読 み取りながら製品を開発している。