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migaro_tech2013   48 / 100

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46  実はこれだけで、PDF 出力が実現で きる。出力ロジックは、TfrxReport コ ンポーネントのExport メソッドを呼び 出せばよい。【ソース2】  完成したプログラムを実行し、 Button2 として定義した「PDF 出力」 ボタンを押下すると、PDF を出力する ための条件指定を行う画面が表示され る。【図19】  条件指定画面を見るとわかるが、例え ば、パスワード付のPDF ファイルの作 成等いろいろと設定できることがわか る。  ただし、とても便利だと思うが、見て の通り条件指定画面はすべて英語表記と なるので、この画面を表示させたくない 場合は、TfrxPDFExport コンポーネン トのShowDialog プロパティをFalse にすればよい。TfrxPDFExport コン ポーネントでは、条件指定画面で設定可 能な項目がすべてプロパティで指定でき るため、予め条件をプロパティに設定し ておけばよい。  このように、PDF 出力が簡単に行え るのもFastReport を使用するメリット である。 最後に  今回はDelphi/400 で帳票作成する手 法の1 つとして、FastReport を紹介し た。この帳票ツールを使用すると、画面 のGUI 化同様、表現力豊かな帳票も容 易に設計・開発できる。また今回は紹介 できなかったが、バーコードやグラフ (チャート)の埋め込みも容易に実装可 能である。  最後にこのFastReport であるが、今 回はDelphi/400 VersionXE3 に付属の バンドル版を使用したが、帳票デザイン 内でのイベントの利用といった高度な機 能や、過去に作成したQuickReport お よびRaveReports 等の帳票ツールの帳 票デザインからのコンバートが利用可能 な上位版(製品版)もある。FastReport のフル機能を使用したい方は、ぜひこの 上位版の導入も検討いただければ幸いで ある。 M 条件指定を紹介する。年間降水量が少な い(例えば今回は、1000 ミリ未満)箇 所を目立つようにしていく。【図15】  これは、出力対象とするText Object コンポーネントに、出力条件指定を付加 することで実現可能である。処理対象の Text Object コンポーネントを選択し、 表示される編集ウィンドウより Highlight タブを開く。ここに条件が指 定できるので、データベースの値が 1000 未満の場合に背景色に設定すれば よい。【図16】  今回は、応用例として計算項目の出力 方法、データベースの集計方法ならびに 条件指定を行う出力方法をご紹介した。 ほかにも多様な設計が可能である。 作成した帳票の 出力方法  ここまでは、データベースを使用した 帳票作成手順を紹介したが、次に作成し た帳票を出力する方法を説明する。 ・プレビュー画面  これまで、標準のプレビュー画面を表 示していたが、このプレビュー画面上部 には、いろいろな機能ボタンがついてい る。大変便利だと思うが、場合によって はボタンを表示させたくない場合もあ る。  実はプレビュー画面に表示させたいボ タンは、TfrxReport コンポーネントの PreviewOptions プロパティのサブプロ パティである、Buttons プロパティです べて制御可能である。これにより、例え ばプレビューのみ許可して、印刷は不可 といったような制御もできる。【図17】  さらに、TfrxPreview コンポーネン トを使用すると、フォーム上に独自のプ レビュー機能を追加することもできる。 ・pdf ファイル出力  最後に、帳票を外部ファイルに出力す る方法を説明する。Fast Report ではさ まざまな形式の外部ファイルに帳票を出 力することができるが、一番利用するの はやはりpdf ファイルだと思う。  pdf ファイルへ出力する場合、 TfrxPDFExport コンポーネントを貼り つければよい。【図18】