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migaro_tech2013   80 / 100

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78 1.はじめに  最近は利用者向けソフトの普及や機能 向上もあり、システム開発側で利用者の 求める出力をすべて取り揃えなくても、 ベースとなるCSV データを用意してお けば、PC 上で表計算ソフト等を使って 自由に編集して利用するユーザーが増え てきた。  また、複雑化したシステムのエラー原 因の究明や利用者の不正利用を防止する 目的で、ログ出力機能の重要度が増して きている。そのような意図で出力される ログについては、データ容量が非常に大 きくなることもあるので、よりディスク 単価の安いPC サーバー等を活用するこ とができる。  上記を受け、本稿では、他システムと の連携役としてのCSV データ出力、お よび内部統制対応としてのログ出力に注 目し、Delphi/400 を使ってWindows 上のファイル操作を行う、ということを 取り上げる。具体的に、Windows テキ ストファイルの操作ノウハウやポイント などを紹介する。 2.ファイル操作の基本  Delphi/400 を使ってWindows 上の ファイル操作を行うには、同じ内容を実 現するとしても、さまざまな方法がある。  この章では、ファイル操作にはまずど のような手法があるのか、またそれぞれ の手法の特徴はどういったものなのか を、OS に近いものから順にご紹介する。 ・Windows API を利用するファイル操作  データ型:例)THandle   命令群:例)FileOpen / FileClose / FileCreate  OS に一番近い形のファイル操作方法 が、「Windows API を利用したファイ ル操作」である。  この方法は「ファイルハンドル」と呼 ばれるものを使い、ファイル操作を行う。 そのため、ハンドルベースで各種API を利用できるが、個々のAPI そのもの は非常に限定された機能しか持たず、ま たOS バージョン等に依存することがあ る。 ・ 低レベル命令群を利用するファイル操作  データ型:例)File / TextFile   命令群:例)AssignFile / CloseFile / Append / Reset / Rewrite  Delphi/400 で提供されているファイ ル操作の命令群の中でも、よりOS に近 い(これを指して「低レベル」と呼ばれ ている)基本命令群を利用する。このファ イル操作方法が、低レベル命令群を利用 するファイル操作である。  それらはDelphi/400 におけるファイ ル操作の基本となっているが、個々の命 令でできる機能は非常に限定されている ため、ログ出力のような単純な機能で使 用される。 ・ TStream 継承クラスによるファイル操作  クラス:例)TFileStream 小杉 智昭 株式会社ミガロ. システム事業部 プロジェクト推進室 ●はじめに ●ファイル操作の基本 ●ファイル操作の具体例 ●ユニコードテキストの出力 ●まとめ Windowsテキストファイル操作ノウハウ 他システムとの連携役としてのCSV データ出力、内部統制対応としてのログ出力。 IBM i 上のファイルとは一味違う、Windows のファイル操作を試みる。 略歴 1973 年05 月26 日生 1996 年関西大学工学部卒 2002 年03 月株式会社ミガロ.入社 2002 年03 月RAD 事業部配属 2007 年04 月システム事業部配属 現在の仕事内容 Delphi/400 を利用した受託開発と システム保守、導入支援を担当して いる。