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migaro_tech2012   12 / 100

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10 帳票発行システムの リプレース検討  合鐵産業株式会社は、鉄鋼材の専門商 社として事業を営む。特に建築用の鋼材 に関しては原料仕入から仕上げまで一貫 して自社で加工を行い、製品の付加価値 を高めている。また、老朽化した機械な どから回収される鉄スクラップを販売。 これが再び鋼材として再生されること で、資源保護にも貢献している。  2010 年にDelphi/400 を導入し、ミガ ロ. の協力により「受発注管理システム」 の再構築を行い、大きな成果を上げた。 本稿では、前述とは別にIBM i の 5250 で運用していた「帳票発行システ ム」のリプレースを行い、コスト削減に 大きな成果を出し、また業務改善を行っ た自社開発の事例について紹介する。  帳票発行システムとは、主に取引先に 送付する、「納品書」「受領書」「請求書」 の発行を行うシステムを指す。5250 よ り処理を行い、ドットプリンタにて印刷 を行う形式である。用紙については、複 写式の専用のデザイン帳票を業者に発注 している。中でも納品書は6 枚綴りで1 枚の単価が非常に高いことから、 Delphi/400 導入以前から何度も課題と して挙げられていた内容であった。  課題が解決に至らなかった要因として は、デザイン帳票をやめるとしても何ら かの印刷手段が必要となる、またレー ザープリンタ用の印刷ソフト、そのカス タマイズとそれらを用意する初期費用に 対する効果が薄いということがあった。  Delphi/400 の開発も1年が経過して きた時、自社で開発できることが少なか らず見えてきた。複雑な入力系システム の開発については、やはり外注という選 択肢をとらざるを得ないが、データの Excel への出力などの簡易的な内容はで きるようになっていた。  このことから、データのExcel 出力 が可能なら、帳票の出力を自社開発する という検討に至り、2011 年秋より開発 に着手、2012 年1 月より運用の開始を 行ったのが「Delphi の帳票発行システ ム」である。 開発要件  リリースした「Delphi の帳票発行シ ステム」の要件としては、以下が挙げら れる。 1.印刷コストの削減 2.5250 の機能維持 3.拡張性(後続の開発の容易性)  以上の内容が要件であり、Delphi/400 とExcel を使用することにより実現し た。順を追って説明する。 1.印刷コストの削減  コスト削減は最も重要な要件であり、 コスト削減の成功がなければリプレース の意味がなくなってしまう内容である。 【図1】  以下のことから、コスト削減を行った。 (1)用紙  印刷方法をDelphi とExcel の連携に よるA4 用紙のレーザープリンタ印刷と し、デザイン帳票廃止によるコストの削 Migaro.Technical Award 2012 ゴールド賞 DelphiとExcelを使用した帳票コストの削減 ―デザイン帳票ドット印刷からA4用紙レーザー印刷へ 大久保 治高 様 合鐵産業株式会社 総務部システム 合鐵産業株式会社 http://www.go-sun.co.jp/ 70 年余りの歴史を持つ鉄鋼メー カー「合同製鐵(東証1 部)」の販 社として設立。 鉄鋼材の専門商社として事業を営 む。特に、建築用の鋼材に関しては 原料仕入から仕上げまで一貫して自 社で加工を行い、製品の付加価値を 高めている。 部門 1