【DO!BOOK・ページリンク】
migaro_tech2013   60 / 100

BOOKをみる

10秒後にBOOKのページに移動します


58 1.はじめに  「VCL for the Web(IntraWeb)」は Delphi/400 の開発機能の1 つである。 この機能を用いると、C/S(クライアン ト/ サーバー型)アプリケーションの開 発と同様の手法で、Web アプリケーショ ンを作成することができる。  このVCL for the Web を活用するこ とで、Web 開発に馴染みの薄い開発者 であっても、使い慣れたDelphi/400 を 用いて、容易にWeb アプリケーション を作成することが可能になるだろう。  本稿では、Delphi/400 を使用した Web アプリケーション開発のバリエー ションをさらに広げていただけるよう、 特にコンポーネントのカスタマイズ手法 について取り上げ、くわしく紹介する。 2. カスタムコンポーネント を利用するメリット  Delphi/400 では、開発機能の1 つで ある“継承”を活用して、既存のコンポー ネントから新しいコンポーネントを作成 することができる。【図1】  このようにして作成されたコンポーネ ントは「カスタムコンポーネント」と呼 ばれ、要件にあわせてさまざまな追加機 能を組み込むことができる。  本稿では、VCL for the Web ならで はのカスタムコンポーネント作成手法に ついて述べる。  なお、C/S アプリケーションの開発 におけるカスタムコンポーネントの作成 手法については、『ミガロ.テクニカル レポート 2012』に、「カスタマイズコン ポーネント入門.Delphi/400 開発効率 向上」を掲載している。わかりやすく解 説されているので、ぜひ参考にしていた だきたい。 3. Ajax・JavaScript との連携  VCL for the Web 専用コンポーネン トの特徴の1 つとして、Ajax と連携し たAsync イベントが利用できる点が挙 げられる。 ・Ajax  Ajax とは「Asynchronous JavaScript + XML」の略で、JavaScript によって 実現する機能の総称である。Ajax の仕 組みを作成することは難しいが、Delphi ではイベントで提供されているため、簡 単に利用することが可能である。  例えば、C/S アプリケーションの開 発においては、TEdit でフォーカスが抜 けた際にOnExit イベントが実行され る。一方、VCL for the Web アプリケー ションのTIWEdit においては、 OnAsyncExit イベントが実行される。 このイベントでは、HTML 上でフォー カスが抜けたことをJavaScript で検知 し、非同期で処理を行うことが可能であ る。【図2】 ・Async イベント  C/S アプリケーションにおけるイベン トの多くは、VCL for the Web アプリ ケーションではAsync イベントで代替 佐田 雄一 株式会社ミガロ. システム事業部 システム1課 ●はじめに ●カスタムコンポーネントを利用するメリット ●Ajax・JavaScript との連携 ●数値専用WebEdit の作成例 ●まとめ Webコンポーネントのカスタマイズ入門 カスタムコンポーネントを開発できれば、さらなるWeb 開発の効率化が見込める。 VCL for the Web ならではのカスタムコンポーネント作成手法を述べる。 略歴 1985 年12 月6 日生 2009 年甲南大学経営学部卒 2009 年04 月株式会社ミガロ.入社 2009 年04 月システム事業部配属 現在の仕事内容 Delphi/400 を利用したシステム開 発や保守作業を担当。Delphi およ びDelphi/400 のスペシャリストを 目指して精進している。