電算室
新谷 直正 氏
Delphi/400で開発した在庫照会・受注入力システムは、従来の5250画面と比べて操作性が格段に進歩しました。
既存のRPG資産を活かしながらエンドユーザーの希望どおりの画面を開発できるDelphi/400は、今では、社内システム開発になくてはならないツールです。
会社名 | 株式会社アダル |
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本社所在地 | 福岡県福岡市博多区金の隈3-13-2 |
URL | http://www.adal.co.jp |
業務用イス・テーブル・什器などの製造卸販売、インテリア資材販売および設計・施行を行う。「世の中にないモノは作り出す」をポリシーとし、お客様が求めるものを提供するためには、一つのスケッチから商品を作りあげる。特注家具の製造・販売・施行を得意としている。
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福岡を本拠地とし、業務用家具の製造及び販売に60年の実績を持つ株式会社アダルは、中国への工場展開や三大都市圏への販売拠点の拡大など、九州No.1の業務用家具メーカーとして順調に業容を拡大してきた。 これに伴い、IBM i(AS/400)ユーザーである同社は、増大する在庫確認事務の負担を軽減するため、5250画面の在庫照会システムを構築した。 事務効率化に大きな成果を上げた同システムだが、徐々に、入力の遅れによる在庫情報の不正確さや、照会画面の操作性について、不満の声があがるようになった。
既存のRPG資産を活かしつつ、若い社員にも受け入れてもらえるツールを模索していたところ、Delphi/400と出会い、格段に操作性の良い受注入力、在庫照会システムを開発することができた。
・5250画面の在庫照会システムは使い難く情報量も少ない
・受注入力の遅れのため、在庫照会での出荷可能残高が不正確
・Delphi/400で在庫照会画面をGUI化し、情報量アップ
・Delphi/400で受注画面をGUI化し、営業現場で入力しやすく
・ユーザー要望を取り入れた使い易い在庫照会システムを実現
・在庫照会システムで正確な出荷可能残高が照会可能に
以前は「倉庫に電話をして在庫確認」が当たり前だった同社は、2004年にRPGで在庫照会システム(5250画面)を構築。 倉庫担当者が不在のときなどは、営業マンへの情報の遅延がお客様への回答の遅延に直結するため、在庫照会システムによる業務改善効果は大きく、社内に浸透していくこととなった。
当初、好評で迎えられた在庫照会システム(5250画面)だが、次の課題は在庫数の正確・迅速な更新と、操作性の改良・改善であった。 先ず、在庫の正確・迅速な更新については、受注入力を営業現場でタイムリーに行うことが課題であった。 受注入力を迅速に行えば、在庫照会での出荷可能残高が、より正確な数字となる。 しかし、営業担当者に不慣れな5250画面での入力作業を強いることはできないため、手書きやExcelで作成した伝票をオペレーターがまとめて入力するという方式をとっており、そのための事務に要する時間が、在庫照会結果の遅れとなっていた。 また、在庫照会システムの操作性も5250画面に不慣れな若い社員を中心に、不満の声があがった。
既存のRPGで開発したアプリケーションを活かしつつ、若い世代の社員にも違和感なく受け入れてもらえるツールを模索していたところ、この2つの条件を満たすツールとしてDelphi/400に出会った。 初めてのGUI化にあたっては、開発日数の短縮を最優先として、RPG開発は自社で行い、Delphi/400の開発はミガロ.に委託という分担で開発を実施。受注入力、在庫照会に関する全てのプログラムを約3か月で完成させた。
営業現場でも入力しやすい画面を目指して、Delphi/400による受注入力画面を開発し、以下の改善を行った。
以前の5250画面では明細欄が2段に折り返しているため、見出しとの関係が見にくかった。Delphi/400画面では、レイアウトが見やすくなり、入力が容易になった。
内容の似ている過去の受注情報を呼出し、それを修正することで効率的な入力作業が可能となった。
受注入力画面に出荷依頼書作成ボタンを設置し、「受注→出荷」の作業効率を改善した。
受注単位の採算が一目で把握できるようになった。
結果として、Delphi/400により、誰でも使い易い画面となり、迅速な受注データ入力(=出荷可能残高への反映)が可能となった。
在庫は、完成品でなく部品単位で管理している。ある完成品が出荷可能かどうか知るためには、構成部品の在庫を知る必要がある。
既存の5250画面の在庫照会システムでは、部品単位の在庫しか表現できなかったが、Delphi/400の在庫照会システムは、先ず完成品の検索を行い(下図①)、そこで選択した製品について、構成部品の在庫数量が照会できる(下図②)。 現在在庫から受注残、売止残を差し引き、出荷可能残高を計算するのは従来の5250画面と同様だが、明細項目が折り返さず1行で表現できるため、はるかに見やすくなっている。
さらに、選択した部品に対して2つの照会を追加した。
1つは、「受注内訳」(下図③)で、選択した部品について、どこから受注が入っているのか詳細を把握できる。在庫不足で困っているときに、納期に余裕のある他案件から、優先的に在庫を回してもらう、等の用途で利用する。
2つめは、「受払履歴」(下図④)で、選択した部品について、過去の入出荷の履歴をトレースできる。倉庫担当者が棚卸数量の相違を発見したときに記帳もれを検索する、等の用途で開発した。
株式会社ミガロ.
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