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企業競争力を高め 将来も安心なIBM i開発を DXから考える

安定性、堅牢性に優れた IBM i(PowerSystems)は多くのユーザー企業から高く評価されています。ハードウェア・OSが最新になっても過去のプログラム資産はそのまま稼働できるため、AS/400の時代から通算すると30年以上も運用されていることも珍しくありません。

逆にIBM iを長く利用できるがゆえの課題もあります。あくまで一般的な傾向ですが、大きく言えば以下の2点に集約されます。

IBM i に共通する課題

◎業務面:UI画面が時代遅れでWe化・モバイル活用などに対応できていない。
開発面:RPG、COBOLスキルを持つ開発者が不足しており、将来の開発体制が不安。

本コラムでは、IBM i の開発面の課題について、多くの企業で経営課題となっているDXを絡めながら、IBM iのモダナイゼーションによる解決策をご提案いたします。

※ DXによる業務面の課題の解決については、前回コラム「DX推進の決め手は IBM i のモダナイゼーション!」をご覧ください。


■ 「2025年の崖」経済産業省DXレポート

「2025年の崖」で有名な経済産業省のレポート(以下、DXレポート)は、DX推進の観点から「開発面の課題」に焦点を当てています。DXレポートの概要を簡潔にまとめると次のようになります。

現状の課題】
  ・既存システム(レガシー)の保守に工数を取られ、DX推進の足かせとなる場合が多い

【DX実現に向けた提言】
  ◆ 競争分野にITの資源を集中
    経営戦略に基づき、競争分野に資源を集中してITを戦略的に活用する
  ◆ 事業部門の主体的な関与
    IT部門任せではなく事業部門も含めた企業全体の取り組みが必要である
  ◆ IT人材の育成と技術継承/ベンダーとの協力体制の構築
    将来に向けて、IT人材の育成とベンダーとの協力体制が重要となる   

IBM i基幹システムは「レガシー」であること自体が問題ではなく、それによりDXの推進が阻害されることが課題となっています。
本コラムでは、IBM i基幹システムのモダナイゼーションにより「レガシー」の欠点を補い、DXを推進する方法をご提案します。


 開発面の課題をモダナイゼーションで解決

ここからは、DXレポートの提言をもとに開発面の課題の解決策をご紹介します。
また、IBM iのWeb化をRPG・COBOLで実現する開発ツール SP4i のメリットも合わせてご紹介します。

1. 競争分野にITの資源を集中

企業競争力をもたらすビジネスモデルを選別した上で、独自の内製システムによる差別化を行うことが重要です。IBM i基幹システムにはノウハウやビジネスモデルが豊富に含まれています。
次の図は一例ですが、戦略的な業務システムに特化して強化することが重要です。戦略的でない分野は現行機能の調査・踏襲に拘らず、必要に応じて仕様を再検討するなどの柔軟性が大切です。

IBM i 基幹システムを自社開発されている企業の圧倒的多くは、RPGまたはCOBOLでプログラミングをされています。各企業の戦略に合わせて様々な開発手法が考えられますが、本コラムでは、RPG・COBOLで最先端のシステムが構築できるWeb化ツール SP4i をご提案します。

SP4i はIT部門の既存スキル(RPG・COBOL)をフル活用できる IBM i 対応のWebアプリケーション開発ツールです。5250画面の変換ではなく、完全に自由な画面レイアウトのWebアプリケーションが構築できます。(SP4i の詳細はこちらをクリック


2. 事業部門の主体的な関与

DXレポートでは、事業部門が主体的にシステム開発に関わることの重要性を強調しています。基幹システムのWeb化・モバイル活用により、事業部門や経営層の利用が促進できます。
日常的な開発では、IT部門とエンドユーザーの密接なコミュニケーションが重要です。IBM i のGUI化/Web化により、開発工程での画面確認やプロトタイプによるアジャイル開発が容易になります。

SP4iは、レスポンシブデザインに対応したHTML5が使用できるため、PC向けWebブラウザだけでなくモバイルデバイスにも最適化させることができます。画面はHTMLだけで設計できるため、画面を設計しながらIT部門とユーザー部門の意思確認が容易に行えます。


3. IT人材の育成と技術継承

IBM社のロードマップでは、IBM i のOSについて今後10年以上のサポートを公表しており、安心して継続いただけます。IBM i ユーザー企業様においては以下の理由により、RPG(COBOL)開発者を育成する戦略が長期的には有力と考えます。

(1) 既存スキルの継続利用 

IBM iのモダナイゼーションにより、基幹システムに最先端の機能を追加できます。長年の開発で培ったRPG(COBOL)スキルを利用して開発を行うことが最も効率的な解決策となります。

RPG(COBOL)スキルだけで最先端のPC、モバイルアプリの開発が可能です。自動生成するRPG(COBOL)のソースコードは、新しいプログラミング知識は不要で既存スキルで開発できます。

(2) 技術者育成の長期的な展望

IBM i(AS/400)ユーザー企業は長年、RPG(COBOL)技術者を育成する文化を育んできました。育成したプログラマーは専門職としてはもちろん、社内の他部門で活躍することも期待できます。緻密さが要求されるプログラミング思考はあらゆる問題解決に役立ち、学校教育でのプログラミング必修化もそのような流れの現れと言えます。

RPG(COBOL)プログラムのほとんどは SP4i が自動生成します。コーディングでは業務ロジックのみを記述すれば良く、記述場所はソースコード上に明示されています。このためプログラム開発の素養のある人なら容易に習得できます。

(3) RPGの開発手法の進化 

若い技術者はJavaなどオープン開発言語を学習しているため、フリーフォームRPGなどオープン開発と親和性が高いと技術継承が容易になります。

従来のRPG IIIだけでなくフリーフォームRPGやILE RPG・COBOLにも対応しています。また、統合開発環境Cobos4iを使ってEclipse環境上でSP4iに関するすべての開発作業を行うことができます。

統合開発環境 Cobos4i

4. ベンダーとの協力体制の構築

開発規模や難易度等により、自社だけですべて開発できない場合もあります。信頼できる開発ベンダーとの間で、お互いに補完し合える協力体制を築くことが理想です。

ミガロ.ではSP4iのテクニカルサポートおよび受託開発も行っております。弊社で先行開発を行い、このプログラムを元に自社開発頂く方法もお勧めです。また自社要員だけでは工数が不足する場合や、難易度の高い開発などの場合もぜひご用命ください。


■ さいごに

本コラムでは、IBM iユーザー様が共通して抱える開発面の課題とDX推進の課題を合わせて検討し、開発ツールSP4iによる解決方法をご提案しました。弊社ではIBM iのモダナイゼーションを効率的に行う3つの開発ツールを扱っており、今回取り上げたSP4i 以外にも、オープン開発ローコード開発を指向されるお客様には、開発ツールDelphi/400Valenceをご提案しています。

IBM iのモダナイゼーションに有効な3つの開発ツールのオンラインセミナーも定期的に開催しています。ご興味を持たれた方はぜひご参加ください。