WebSphere Application ServerのFixPackを適用後、以前のバージョンに戻したい場合には、ロールバックを行い元のバージョンに戻すことができます。今回のTIPSではIBMiの環境と、Windowsの環境でロールバックする手順をご紹介します。
はじめに
WebSphere Application ServerのFixPackを適用後に「業務継続できない問題が出た」、または 「本番適用前の検証で重大な互換性問題が見つかった」 場合にロールバックをするという判断を行う場合があります。
WebSphere Application ServerではFixPack適用後、簡単に元のバージョンに戻すことが可能です。
※通常、FixPackは累積修正であり、セキュリティ修正も含まれるためロールバックすることは稀となります。
ロールバックを行う方法
IBMiでのロールバック
ロールバックはIBM Installation Managerから行えます。

ホストコードページ939の状態でエミュレータで接続後、JOBのCCSIDを5035に設定してから、STRQSHでQSHコマンド入力画面を呼び出します。
CHGJOB CCSID(5035)
STRQSH
Installation Managerのインストールディレクトリに移動
cd /QIBM/ProdData/InstallationManager/eclipse/tools/
ロールバック可能なFixPackバージョンの確認
次にimclコマンドでロールバック可能なFixPackのバージョンを確認します。
※WASのインストールディレクトリが/QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/BASEの場合
./imcl listInstalledPackages -installationDirectory /QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/BASE -rollbackVersions

戻すことができるFixPackバージョンがカンマ区切りで表示されます。
上記画像の場合には、「9.0.5018.20231113_1345」と「9.0.5.015.20230321_2220」、「9.0.0.20160526_1854」に戻すことができます。
ロールバックのコマンド
ロールバックの前にはWebSphere Application Serverを停止状態にしてください。
「9.0.5018.20231113_1345」に戻す手順で説明致します。
IBMのサイトでは以下のコマンドでロールバックするコマンドが紹介されています。
・コマンド行を使用したフィックスパックのアンインストール
https://www.ibm.com/docs/ja/was/9.0.5?topic=packs-uninstalling-fix-by-using-command-line
./imcl rollback offering_ID_offering_version
-repositories source_repository
-installationDirectory installation_directory
-preferences preference_key=value
-properties property_key=value
-secureStorageFile storage_file -masterPasswordFile master_password_file
-acceptLicense
今回のIBMiのWebSphere Application Serverのoffering_IDは「com.ibm.websphere.WEBENAB.v90」です。
offering_versionは戻したいバージョンを指定します。
「9.0.5018.20231113_1345」に戻す場合は以下のコマンドとなります。
./imcl rollback com.ibm.websphere.WEBENAB.v90_9.0.5018.20231113_1345 -installationDirectory /QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/Base -acceptLicense


コマンド実行後、しばらくするとロールバックが完了した旨の表示がされます。
以上でIBMi環境でのロールバックは完了となります。
Windows環境でのロールバック
Windows環境ではIBM Installation ManagerのGUI画面から簡単にロールバックが行えます。

IBM Installation Managerの「ロールバック」を選択します。

IBM WebSphere Application Serverを選択後「次へ」ボタンをクリックします。

ロールバックするバージョンをチェックして「次へ」ボタンをクリックします。

「ロールバック」ボタンをクリックします。

ロールバックが完了します。