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WebSphere Application Server(WAS IBMi版)でV8.5からV9にマイグレーションする方法

IBMi版のWebSphere Application ServerでWAS8.5の環境をWAS9にマイグレーションする場合、マイグレーションコマンドの「WASPreUpgrade」と「WASPostUpgrade」を使用します。Tipsでは、コマンドを使用してマイグレーションを実施する方法についてご紹介します。

IBMi のWAS マイグレーション時のコマンド

IBMi版WASのマイグレーションは、WebSphere Application Serverに含まれている、WASPreUpgradeコマンドとWASPostUpgradeコマンドを使用してマイグレーションします。

・WASPreUpgrade コマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/was/9.0.5?topic=umt-waspreupgrade-command
・WASPostUpgradeコマンド
https://www.ibm.com/docs/ja/was/9.0.5?topic=umt-waspostupgrade-command

IBMi のWAS マイグレーションの順序

WAS8.5からWAS9にマイグレーションする場合には、以下の手順となります。

  1. WAS9のWASPreUpgradeコマンド
    WAS9のWASPreUpgradeコマンドを実行して、WAS8.5プロファイルのバックアップファイルを作成
  2. WAS9のプロファイル作成を実行
    バックアップしたWAS8.5と同じプロファイル名で作成します
  3. WAS9のWASPostUpgradeコマンド
    WAS9のWASPostUpgradeコマンドを実行して2.で作成したプロファイルに1.で取得したバックアップファイルの情報からプロファイルを復元します。

Tipsでは、WAS8.5のプロファイル 「WAS85SVR03」をWAS9.0にマイグレーションする手順を例に説明いたします。

1.WASPreUpgradeコマンドの実行

WAS8.5のプロファイルをWAS9にマイグレーションする場合、WAS9の「app_server_root」/bin
に配置されている、WASPreUpgradeコマンドを実行して、バックアップファイルを作成します。

IBMiへ接続

エミュレータの設定をホストコードページ939に設定後、IBMiに接続してください。

ACS ホストコードページ設定

エミュレータでIBMiに接続後、CHGJOBコマンドでCCSIDを5035に変更します。

CHGJOB CCSID(5035)

QSHコマンド画面の表示

STRQSHコマンドを実行してQSHコマンド入力画面を表示します。

STRQSH

カレントディレクトリの変更

cdコマンドを使用して、カレントディレクトリを「app_server_root」/bin に変更します。
デフォルトのインストールパスを使用している場合、WAS9の「app_server_root」は /QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/BASE/bin です。

cd /QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/BASE/bin
QSHコマンド入力画面

WASPreUpgradeコマンドの実行

WASPreUpgradeコマンドは、第一引数のbackupDirectory と第二引数のcurrentWebSphereDirectoryが必須パメータです。
backupDirectory はバックアップファイルを出力するIBMiのディレクトリを指します。第二引数はバックアップ対象のプロファイルのパスを指定します。

IBMiの/temp/was ディレクトリにバックアップファイルを作成し、WAS8.5のWAS85SVR03プロファイルが/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V85/EXPRESS/profiles/WAS85SVR03の場合コマンドは以下になります。

  • backupDirectory :
    /temp/was 
  • currentWebSphereDirectory
    /QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V85/EXPRESS/profiles/WAS85SVR03

WASPreUpgrade /temp/was 
/QIBM/UserData/WebSphere/AppServer/V85/EXPRESS/profiles/WAS85SVR03
WASPreUpgradeコマンド
MIGR0593W:ファイル・ハンドル制限 エラーが発生する場合
MIGR0593W:ファイル・ハンドル制限

WASPreUpgradeコマンド実行時に「MIGR0593W:ファイル・ハンドル制限が….」の警告が表示される場合があります。これは、ファイル・ハンドル(同時にオープンできるファイル数)が10000よりも低い場合に表示されます。
警告が表示される場合は、ulimitコマンドでファイル・ハンドルの制限を確認 / 変更後、再度WASPreUpgradeコマンドを実行してください。

WASPreUpgradeコマンドはulimit -Sn と ulimit -Hn の設定に影響を受けるため、
QSHコマンド入力画面で
・ulimit -Sn
・ulimit -Hn
をそれぞれを実行して、制限を確認します。
デフォルトでは、ulimit -Sn は200に設定されているので、以下のコマンドで設定を変更する必要があります。

例) QSHコマンド入力画面で、以下コマンドを入力してファイル制限を20000に変更

ulimit -Sn 20000

2.WAS9環境でProfileの作成

IBMi環境の「IBM Web Administration for i」にアクセスします。

IBM Web Administration for i にアクセス

IBM Web Administration fori の起動

ブラウザのアドレスバーに以下のアドレスを入力します。

http://IBMi IP Address:2001/HTTPAdmin

「IBMi IP Address」の箇所は、利用しているIBMiのアドレスに合わせて変更してください。
上記アドレスにアクセスできない場合は、IBMi上でサービスが停止している可能性があります。
その場合は、以下コマンドでサービスを起動してください。

STRTCPSVR SERVER(*HTTP) HTTPSVR(*ADMIN)

http://IBMi IP Address:2001/HTTPAdminにアクセスすると、認証のダイアログが表示されます。Web関連サーバーを操作できる権限を持つユーザープロファイルを利用してログインしてください。デフォルトでは、*ALLOBJ と *IOSYSCFG の特殊権限を持つユーザーまたはそのグループ のユーザープロファイルのみが設定変更可能です。

アプリケーションサーバーの作成

アプリケーションサーバー作成

「IBM Web Administration for i」の「管理」タブ > 「すべてのサーバー」タブ で表示される、「共通タスクおよびウィザード」の「アプリケーション・サーバーの作成」を選択してください。

アプリケーションサーバーの作成

アプリケーション・サーバーの作成画面が表示されるので、「次へ」ボタンをクリックします。

アプリケーションサーバーのバージョンおよびタイプの指定

WebSphere Application Server の「V9.X.X.X」を選択して、プロファイルを作成します。

アプリケーションサーバー名の指定

アプリケーション・サーバー名の指定では、アプリケーション・サーバー名をPreUpgradeコマンドでバックアップしたプロファイル名と同じにして作成します。

HTTPサーバータイプの選択

HTTPサーバー・タイプの選択では、WAS8.5環境のWAS85SVR03に関連づいたHTTPサーバーを設定で関連付けるため「既存のHTTPサーバー(powered by Apache)の選択」にラジオボタンにチェックします。チェック後、「次へ」ボタンをクリックします。

HTTPサーバー選択

WAS8.5環境のWAS85SVR03に関連づいたHTTPサーバーを選択して、「次へ」ボタンをクリックします。

HTTPサーバー選択の確認

「HTTPサーバー選択の確認」の画面で確認画面が表示されます。「次へ」ボタンをクリックします。

アプリケーションサーバーで使用する内部ポートの指定

「アプリケーション・サーバーで使用する内部ポートの指定」の画面が表示されます。
「次へ」ボタンをクリックしてください。

サンプルアプリケーションの選択

「インストールするサンプル・アプリケーションの選択」が表示されますので、デフォルトアプリケーションを展開するかを選択後、「次へ」ボタンをクリックしてください。

Web経由でIBMiにアクセスするようにIDトークンSSOを構成

「Web経由でIBMiにアクセスするようにIDトークンSSOを構成」の画面が表示されます。
IDトークンの構成を選択後、「次へ」ボタンをクリックしてください

アプリケーションサーバーの作成 要約

「要約」の画面が表示されます。
画面を確認後、「完了」ボタンをクリックしてください。

アプリケーションサーバーの作成完了

アプリケーションサーバーが作成されました。

3.WAS9のWASPostUpgradeコマンド

IBMiのQSH実行画面から、WASPostUpgradeコマンドを実行します。

カレントディレクトリの移動

cdコマンドを使用して、カレントディレクトリを「app_server_root」/bin に変更します。

cd /QIBM/ProdData/WebSphere/AppServer/V9/BASE/bin

WASPostUpgradeコマンドの実行

WASPostUpgradeコマンドは、第一引数のbackupDirectory が必須パメータです。
backupDirectory はバックアップファイルを出力したIBMiのディレクトリを指します。
復元するプロファイル名を指定するため、oldProfileパラメータを設定、復元対象のプロファイルを指定するために、profileNameパラメータを指定します。

WASPostUpgrade /temp/was -oldProfile WAS85SVR03
-profileName WAS85SVR03
WASPostUpgradeコマンド

マイグレーションの完了

マイグレーションが完了しました。

マイグレーションの完了

SmartPad4iアプリケーションは、マイグレーションを実行後、WAS8.5 環境の「WAS Profile Root」に配置されている以下ファイルを、WAS9環境の「WAS Profile Root」にコピーしてください。

 ・table.lst
 ・luc.jar
 ・smartpad4i.ini
 ・SP4iConf 64.exe
 ・SP4iConf 64.ini
 ・SP4iConfAS 64.exe
 ・SP4iConfAS 64.ini
 ・SP4iConfW 64.ini

コピー後、SP4iConfAS 64.ini ,SP4iConfW 64.ini ,smartpad4i.ini に記載されているパスをWAS9の環境のパスに合わせて変更します。

また、展開されているアプリケーションも旧環境からコピーする必要があります。

  •  [WAS Profile Root]/installedApps/ホスト名_プロファイル名\smartpad4i.ear\smartpad4i.war\WEB-INF\lib
  •  [WAS Profile Root]/installedApps/ホスト名_プロファイル名\smartpad4i.ear\smartpad4i.war\WEB-INF\classes

WAS8.5環境のプロファイルから、WAS9環境のプロファイルにコピーしてください。