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IBMiファイル共用(IBMi NetServer)を使用して、他端末からIBMiのIFS領域にアクセスする方法

IBMiのIFS領域はIBMi NetServerを使用することで、ネットワーク内の他クライアントとファイル共有することができます。
例えば、IBMiのWebServerディレクトリを共有することで、IFS上のファイルをエクスプローラ経由で簡単に更新可能です。
Tipsでは、IBM Navigator for iを使用したファイル共有の作成と、コマンドを使用したファイル共有の作成手順をご紹介します。

IBMi NetServer

IBMi NetServerは、IBMi上で動作するWindowsやMac等のPCクライアントとファイル、プリンタを共有するためのサービスです。
WindowsやNAS装置のような「ファイルサーバー」と似た役割を果たします。

SP4i(Cobos4i)の開発での活用

SP4i(Cobos4i)の開発や、運用をIBMiのWebSphere Application Serverで行っている場合、ファイル共有を設定しない場合にはファイルの転送はFTPやSCP経由、ACSの「統合ファイル・システム」にてファイルをアップロードする必要があります。
ファイル共有をすることで、IBMi側へのファイル配置時にWindowsのエクスプローラ経由で簡単にフォルダ単位でファイルを配置することができます。

また、IBMiのWebサーバーディレクトリを共有設定することで、SP4iの開発者がネットワークドライブ経由でDesignerのiniファイルを配布することができます。
さらに、開発者毎にIBMiのネットワークドライブのドライブレターを合わせてることにより、複数の開発者間でDesignerプロジェクトファイル(*.jdp)を共有することも可能です。

IBMi Navigator for i での設定手順

IBMi Navigator for iからファイル共有を作成することが可能です。

http://[IBMi IP Address]:2001

ブラウザから上記アドレスにアクセスすると、リダイレクトされてIBM Navigator for i のログイン画面が表示されます。

ログイン後、管理されているノードがタイル表示されます。
タイルが表示されていない場合は、左側メニューから新規ノードの追加 を選択することで、管理するノードを追加することができます。
タイルの右上にある3点アイコンをクリックするとメニューが表示されます。
「ノードの管理」を選択してください。

左側メニューの「ファイルツリー」のアイコンを選択すると「ファイル共用」が表示されますのでクリックします。

ファイル共用画面にて、「アクション」ボタンから「新規ファイル共有」を選択します。

IBMiネットサーバー・ファイル共用の作成画面が表示されます。

  • 共用名:最大長は12文字で、文字AからZ,aからz、0から9、@、#、$または組み込みブランクを使用可能
         ※先行ブランクは使用不可
  • 記述:ファイル共用の説明を記述
  • アクセス:書き込みを実施する場合は、「読み取り/書き込み」を選択
  • 暗号化が必要:「はい」にするとSMBv3で通信が暗号化
  • 権限リスト:権限リストを使用してアクセスを制限する場合に設定
  • パス名:ファイル共有するIFSのパス
  • 最大ユーザー数:接続できるユーザー数の設定
  • テキスト変換:IFSに配置したファイルの属性変更

Webサーバーのディレクトリを共有する場合には、テキスト変換を使用せずに共有を作成します。

ファイル共有が作成されました。

\\(IBMi IP Address or ホスト名)\webserver

Windowsエクスプローラのアドレスバーにの上記のように記述するとアクセスが可能です。

IBMiエミュレータでの設定手順

ファイル共有の作成

ファイル共有はIBMiのエミュレータ側からでも設定が可能です。
QZLSADFS APIを使用してファイル共有を作成することができます。

・Add File Server Share (QZLSADFS) API
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.6.0?topic=ssw_ibm_i_76/apis/qzlsadfs.html

例) webserver2という共有名で、IFSの/www を読み取り/書き込み、10ユーザーまでのファイル共有を作成

CALL QSYS/QZLSADFS PARM('webserver2' '/www' X'00000004' X'00000000' 'www' X'00000002' X'00000010' X'00000000')

ファイル共有の削除

削除はQZLSRMSで行えます。

・Remove Server Share (QZLSRMS) API
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.6.0?topic=ssw_ibm_i_76/apis/qzlsrmvs.html

例) webserver2の共有名のファイル共有を削除

CALL QSYS/QZLSRMS PARM('webserver2' X'00000000')

その他コマンド

他にもAPIが存在しますので、IBMの公式サイトをご確認ください。
・IBM API ガイド
https://www.ibm.com/docs/ja/i/7.6.0?topic=netserver-api-guides

その他方法

IBMiのライセンスプログラム 5770SS1 option 7 「例題ツール・ライブラリー」が導入されている場合には
GO NETS コマンドを実行してメニューから編集することも可能です。

詳細は、以下のURLをご確認ください。

・Manage IBM i NetServer without Navigator – GO NETS
https://www.ibm.com/support/pages/manage-ibm-i-netserver-without-navigator-go-nets