株式会社ミガロ.では、2025年10月に、
Delphi/400の最新バージョンとなる『12 Athens』をリリースいたしました。
Delphi/400 12 Athens リリース(Migaro. ニュース)
本Tipsでは、Delphi/400 12 Athensの新機能や新しい開発手法について
4回に分けてご紹介いたします。
第2回の今回は、DelphiのIDE(統合開発環境)内で
生成AIを利用可能になる『Smart CodeInsight』機能を紹介します。
Smart CodeInsightとは
Smart CodeInsightは、近年注目を集めている生成AIをDelphiのIDEに統合する機能です。
複数のLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)エンジンと連携した
対話機能を提供しており、IDE内でAIチャットの利用が可能となります。
これによって、選択したソースコードを対象とするレビューや改善提案を直接得ることができます。
以下、設定手順や利用実例を例示していきます。
※生成AIについては日々状況が変化する可能性があります。
本記事の情報は2026年2月現在のものです。
利用可能なLLMについて
Smart CodeInsightでは、利用可能なAPIとして以下の4種類のLLMがサポートされています。
それぞれの特徴について紹介します。
また、モデルの機械学習(訓練)に再利用される可能性についても記載します。(※2026年2月現在)
- OpenAI API
- ChatGPTで知られるOpenAI社の提供するAPI。
精度は高いが、無料枠は無く登録時に請求情報の入力が必要。(公式) - 基本有償のため、機械学習はデフォルトでオフ。
- ChatGPTで知られるOpenAI社の提供するAPI。
- Ollama
- ローカル環境にLLMを構築するため、無料かつオフラインで利用可能。
ただし精度は発展途上なうえ、LLM用の容量をローカルに大量に確保する必要あり。(公式) - そもそもローカルなので機械学習されることはない。
- ローカル環境にLLMを構築するため、無料かつオフラインで利用可能。
- Gemini API
- Googleが提供するGeminiのAPI。
高精度で、ある程度の無料枠が日次で設定されている。(公式) - 【注意】完全無料プランで利用する場合は機械学習の対象となる。
有料プランに契約していれば、一部のモデルを除き機械学習オフ。
- Googleが提供するGeminiのAPI。
- Claude API
- OpenAIから独立したAnthropic社によるAPI。
性能は優秀だが、無料枠は登録時の評価用に限られる。(公式) - 基本有償のため、機械学習はデフォルトでオフ。
- OpenAIから独立したAnthropic社によるAPI。
次項の設定方法に移る前に、使用するLLMのAPIキーを取得してください。
(詳細な取得方法は日々変化する可能性があるため、本記事では割愛します。)
Delphi IDE側の設定手順
APIキーを取得したら、Delphi 12 Athensを起動し、
[ツール] メニューの [オプション] を表示します。
(※Delphi 12 Athens の場合、Update 3(Delphi 12.3)からの対応となります。)
(※以下の手順は、より新しい Delphi 13 Florenceでも同様です。)
オプションのメニューに追加された「スマート 支援機能」を選択し、
「Enable Smart CodeInsight」のチェックをオンにします。

「エディタのデフォルトAI」と「チャットウィンドウのデフォルトAI」を指定し、
(別々のLLMを使い分けるのでなければ同値を指定)
「プラグイン」欄で使用するLLMを選択し、接続情報やAPIキーを入力します。
「BaseURL」などの各項目にセットする値の詳細は、
以下のエンバカデロ社のページをご参照ください。
Smart CodeInsightのオプション – Support
ただし、下記の項目はそれぞれ以下をセットします。
- APIKey:取得したAPIキーをセットします。
- モデル:表示される利用可能なモデルの一覧から選択します。
- 最初はリストが空ですが、BaseURLとAPIキーを入力すると選択可能になります。
モデルはLLMの発達に伴って不定期に更新されていきます。 - 【注意】Gemini APIの場合、有料プランに契約していても、
名前に 「Exp(Experimental)」 が付く実験用モデルは機械学習の対象となります。
- 最初はリストが空ですが、BaseURLとAPIキーを入力すると選択可能になります。
設定完了後、「保存」を押してオプションを閉じます。
Smart CodeInsight 実行イメージ
設定完了後、Delphi上で任意のプロジェクトを開き、ソースコードを選択した状態で右クリックします。
するとコンテキストメニューに「Smart CodeInsight」が追加されています。
各メニュー項目を選択すると、選択中のコードに関するクエリが
先程設定したLLMへ送信され、回答が返される仕組みです。


メニューの下部で「エディタに結果を表示」「チャットウィンドウに結果を表示する」が
選択できるようになっています。
エディタを選択していた場合、下図のように選択した部分の直下に結果が追記されます。

チャットウィンドウを選択していると、専用のウインドウに結果が表示されます。
チャットウィンドウではさらにマークダウンビューとテキスト選択ビューの二種が存在し、
用途や好みに応じた使い分けが可能です。
下図はそれぞれ記載のジャンルで質問をした際のGeminiの回答イメージです。




AIからの返答が「Not Found」になったら
Smart CodeInsight のAI支援機能は、
ある日突然「Not Found」を返して動作しなくなる場合があります。
各LLM(ローカルのOllamaは除く)は日々進化を続けているため、
使用しているモデルが数か月単位で新しいものに代替されて提供終了となるためです。
「Not Found」エラーが発生したら、上記の設定手順の項にある
オプションの「スマート支援機能」から、「モデル」の設定を利用可能な別モデルに切り替えてください。
その時点の最新モデルのAIによる支援を再び受けられるようになります。
上記でも改善しない場合は、APIキーが有効かどうかご確認ください。
また、類似のエラーとして「Too Many Requests」エラーが返される場合もあります。
この場合は使用しているモデルにおいて使用可能なトークンを使い切ったことを示すため、
しばらく時間をあけるか、別のトークン消費が少ないモデルに切り替えてください。


<Delphi/400 12 Athensの新機能>
第1回:IDEの新機能や機能拡張
第2回:Smart CodeInsightで生成AI連携(本記事)
第3回:3月公開予定!
第4回:4月公開予定!