ValenceにGitHub連携機能が追加されました。
IBMiにNode.jsとGitを導入して、GitHubのアカウントと連携することでAppBuilderのアプリをGitHubで管理することが可能になります。TipsではAppBuilderでの使用方法をご紹介します。
ValenceのGitHub連携機能の導入
ValenceのGitHub連携機能はIBMi側へNode.js、Git導入と、ソースコードをホスティングするGitHubアカウントの作成/設定が必要です。導入方法は以下Tipsのリンクを確認してください。
・IBMiへNode.jsをインストールする方法
https://www.migaro.co.jp/tips/4951
・Valence GitHub連携機能を導入する方法
https://www.migaro.co.jp/tips/5019
チェックアウトとコミット (編集とリポジトリへの保存)
GitHub連携機能を導入すると、コミット、履歴、ロールバックなどのGit操作がAppBuilderのインターフェース経由で実行できます。
手動でGitコマンドを入力する必要はありません。
チェックアウト / チェックアウト & 編集

AppBuilderのデータソース、ウィジェット、アプリケーションを編集する際には、対象のオブジェクトを「チェックアウト」して編集状態にする必要があります。

チェックアウトに成功すると、App Builder開発画面上のレコードが反転します。
チェックアウトしたユーザーのみがオブジェクトを編集できるようになります。
「保存」、「コミット」、「コミット & チェックイン」

対象のオブジェクトを保存時に、「コミット」、「コミット & チェックイン」が表示されるようになります。
- 「保存」
保存した内容はGitHubリポジトリには登録されず、Valenceのインスタンス内でのみ保存されます。 - 「コミット」
GitHubリポジトリに登録します。変更はすべてのユーザーに表示されるようになります。 - 「コミット & チェックイン」
コミット処理を実行後、編集完了状態に遷移します。他のユーザーがチェックアウトをして編集可能となります。
チェックアウトされたアイテムの実行

チェックアウト中のオブジェクトやアプリを起動しようとすると上記のダイアログが表示されます。
編集前のオブジェクトを使用して実行するか、チェックアウトされて編集中のオブジェクトを使用して実行するか選択できます。
- 「現在のバージョンを使用」
チェックアウトされる前のオブジェクトを使用します。 - 「チェックアウトされたバージョンを使用」
チェックアウト後に編集されたオブジェクトを使用します。
チェックイン (変更を破棄したい)

チェックアウトしているオブジェクトはチェックインをすることで、他のユーザーが編集可能になります。
変更を残したい場合は、「変更あり」、変更を破棄したい場合は、「変更を破棄」を選択してください。
「変更あり」を選択すると、GitHubリポジトリに変更内容が登録されます。
ロールバック (過去の状態に戻したい)

リポジトリに登録した過去の内容に戻したい場合には、「Git履歴」からロールバックを実行します。
Git履歴を選択するとレポジトリに登録されたコミットリストが表示されるので、ロールバックしたいレコードを選択します。

レコードを選択後、「ロールバック」を実行すると過去のバージョンに戻すことができます。

確認のため「ROLLBACK」と入力後、メッセージを入力して「OK」ボタンをクリックするとロールバックされます。
※20250325.1ではメッセージに日本語が入力できません。 アルファベットを入力いただけますでしょうか。
Gitの差分 (変更点を確認)
前回コミットからの差分を確認できます。

Valenceインスタンスに保存されているJsonデータ等、ファイルの違いが表示されます。

変更点がわかりにくい場合には、右上に配置されている「Valence AI Assistant」アイコンをクリックすると変更点の要点を文章にまとめてくれます。
NABチェックアウトマネージャー
NABチェックアウトマネージャーはGit連携を使用するユーザー、アプリケーションのチェックアウト、Gitリポジトリへのコミットや変更の破棄を管理するためのアプリケーションです。

「管理オプション」カテゴリーの「NAB チェックアウトマネージャー」アプリから起動します。
チェックアウトしているオブジェクトの一覧の検索表示が可能です。

チェックアウトしているオブジェクトの一覧から、操作をしたいオブジェクトにチェックを設定後、右上の「Action」ボタンで「コミット & チェックイン」、「変更を破棄」、「再割り当て」の操作ができます。
再割り当て (チェックアウト中のオブジェクトを別のユーザーに割り当て)

「再割り当て」はチェックアウトしたオブジェクトを別の開発者に割り当てる機能です。
ユーザーの一覧から、割り当てたいユーザーを選択することで、別のユーザーにチェックアウトを割り当てることができます。
おわりに
ValenceのGitHub連携を使用すると、App Builderアプリケーションの整理、追跡、保守が容易になります。
是非、追加されたGitHub連携機能をご活用ください。