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【Delphi/400】Delphi/400 12 Athensの新機能①

株式会社ミガロ.では、2025年10月に、
Delphi/400の最新バージョンとなる『12 Athens』をリリースいたしました。

Delphi/400 12 Athens リリース(Migaro. ニュース)

本Tipsでは、Delphi/400 12 Athensの新機能や新しい開発手法について
4回に分けてご紹介いたします。
第1回目の今回は、DelphiのIDE(統合開発環境)に追加された
大小さまざまな新機能や機能拡張を紹介します。

 

複数行の文字列リテラルへの対応

String型の変数に複数行データを格納する場合、
改行コード(#13#10)を明示的に挿入するか、TStringsを宣言して行単位でAddする必要がありました。
12 Athensでは、この操作が1つの命令で完結可能となっています。

具体的には、文字列をシングルクォーテーション3連で囲むことにより、
囲まれた部分が複数行文字列として解釈されます。
この記法により、ShowMessageなどにおいても改行を保持したまま文字列を表示できます。

 

StringListエディタと複数行文字列エディタ

12 Athensでは文字列編集機能も強化されています。

従来のバージョンでは、TMemo.Lines等のTStrings型プロパティ編集は簡素なエディタに限られていました。
12 Athensでは外部テキストの入出力、カット・コピー・ペースト、選択操作、元に戻すボタンなどが標準搭載された新エディタが実装されています。
(この機能は、11 Alexandria以降にGetItパッケージマネージャを通じて利用可能であった拡張コンポーネント群「Bonus KSVC」から一部がDelphi本体に逆輸入されたものです。)

さらに、TLabelやTButton等のCaptionプロパティに複数行入力を可能とするエディタが導入され、
改行コードをコード上に埋め込んだりしなくとも、オブジェクトインスペクタ上で直感的に複数行を設定できるようになっています。

同様に「クイック編集」機能も拡張され、
TPanelやTButton(TBitBtnを含む)では主要な設定項目を視覚的に変更可能となりました。
TRadioGroupでも項目設定が容易になっています。

 

コード キーワード

初期のDelphiより、コードの入力中にCtrl+Spaceキーを押すとコード補完が表示されます。

12 Athensではこの機能も強化され、候補にキーワードも表示されるようになりました。
例えば「begin」と入力したい時にたまたまコード補完を使用した場合、
意図しない他の「begin~~」というメソッド等が選択されることなく目的のキーワードを指定することが可能です。

 

ファイル検索ダイアログの機能拡張

従来より、Ctrl+Shift+Fキーを押すと「ファイル検索」ダイアログが開いて、
プロジェクト内や指定ディレクトリ内のソースやテキストから目的の文字列を一括検索できます。

12 Athensではこの機能も強化され、
指定ディレクトリの検索時に特定のフォルダを検索対象から外すことができるようになっています。
例えばソース検索時に「__history」フォルダを除外させるといった目的で活用可能です。

 

エディタ スクロールバーの注釈

コードを記述していくエディタにおいては、
画面左側には変更された行、変更後に保存された行や、
エラー インサイトやブックマークのアイコンなどが従来から表示されています。

12 Athensでは右側のスクロールバーにも同様の注釈が色分けされて表示されるようになりました。
数千~数万行あるような長いユニットの場合は目的の場所を探す効率が飛躍的に向上します。

 

分割エディタとフォーカスモード

前バージョンのDelphi 11 Alexandriaでは、
入力中のユニットの右クリックメニューに追加された「新規編集ウィンドウ」を選択すると、
同一ユニットのコードとデザインを同時に表示・編集できる機能が追加されていました。

12 Athensではこの機能がさらに強化され、
右クリックメニューに追加された「分割する」から
IDE画面内に同一ユニットの複数のエディタを並べて表示できるようになっています。

こちらも数千~数万行あるような長いユニットの開発・修正時には
ソース内を行ったり来たりする必要が無くなり重宝するでしょう。

また、12 Athensでは編集中のユニット以外を隠して
集中力を高められる「フォーカス モード」も追加されています。

 

その他の新機能(抜粋)

その他にも、以下のような新機能や機能拡張が実施されています。

  • Android ターゲットAPIレベル35のサポート。
  • FireDAC接続(ODBC)における異種DBへの同時接続が出来なかった課題の改善。
  • GoogleのSkiaグラフィックライブラリに基づいたDelphi用の2DグラフィックAPI。
  • Web開発の時にHTMXの基盤となるWebStencilsの対応。

(Embarcadero Docwiki 新機能一覧)
 12.0 12.1 12.2 12.3
※Delphi/400 12 Athensでは、最新アップデートの12.3をご利用いただけます。